日本に比べるとかなり高価

グレードは上位から、プライム、チョイス、セレクト、スタンダード、コマーシャル、ユーティリティ、カッター、キャナーの8段階です。

ちなみに現在日本に輸入されるアメリカ産の牛肉は、プライム、チョイス、セレクトの上位3グレードのみです。

高級精肉店で販売される日本の和牛は1cm程度の厚さで、部位はしっかりとサシの入ったサーロインかリブロースがほとんどです。

ただ、1枚ごとに真空パックをされた状態で置かれることが多く、見た目には購買意欲を刺激するものではありませんでした。

高級スーパーでも日本の和牛は販売されていますが、こちらでは日本と同じように1枚ずつトレーでパッキングされ、日本に比べるとかなり高価ですが、現地の日本人も購入しているようです。

アメリカ産の牛肉の調理法を和牛に変えただけ

アメリカの高級レストランでは、米国産の牛肉だけでなく、和牛を食べる機会もありました。

メニューには宮崎県産から、茨城県産、岐阜県産、兵庫県産、宮城県産など、様々な産地の黒毛和牛が並んだ圧巻のラインナップでした。

ただ、その調理法は日本の和牛の肉質に合わせたものというよりも、アメリカ産の牛肉の調理法を和牛に変えただけという印象でした。

網の上で焼かれる厚切りの牛肉
写真=iStock.com/rez-art
アメリカ産の牛肉の調理法を和牛に変えただけ(※写真はイメージです)

特に海外に輸出される和牛は、格付け等級はA5が中心で、かなり霜降りが強いものが多いので、分厚いステーキや塊のまま調理する料理など、霜降りの和牛よりも赤身の強い牛の方が適していると思います。

焼肉やすき焼きなど、日本の和牛を美味しく食べる方法を最も知っているのは日本人と言えます。

だからこそ、日本の和牛の輸出を今後も継続的に伸ばしていくためには、単に品物を送るだけではなく、現地の消費者に喜んでもらえる食べ方も一緒に届ける必要があるのではないでしょうか。