やる気スイッチはない

「どうしたら子どもがやる気になりますか?」

こちらも僕が受ける多い質問の一つです。

昔、予備校のCMで、「やる気スイッチ、君のはどこにあるんだろう?」という歌が流れ、先生が体についているボタンをカチッと押すと、うおーー! とやる気が出てきて急に勉強を始めるというのがありました。やる気スイッチとはそんなイメージだと思います。

やる気スイッチがあれば最高ですよね。押すだけでやる気が出るのですから。しかし、残念ながらそういったスイッチはありません。いくらスイッチを押そうとしたところで、やる気のない子のやる気は出ないということです。

でも、やる気は起こすことができます。それは、「5分だけやろう」です。

脳の側坐核そくざかくという部分を刺激することで、やる気を起こさせます。だからやるのがしんどいときは、まず5分だけやろうと机に向かってください。側坐核に刺激が走り、気がつけば10分、20やっているなんてことがしばしばあります。

やる気とは、スイッチをカチッと押してさあスタートというわけではなく、少しやってみることで脳が刺激され、わいてくるものなのです。

人間の脳
写真=iStock.com/libre de droit
※写真はイメージです

小学校の授業では、はじめの5分が勝負だといわれています。いかに5分間で子どもの側坐核を刺激できるか、脳をやる気にさせるか、です。

はじめの5分間では、簡単なことをさせることが多いです。算数ならば、必ず日付、ページ数、今日のタイトル、めあてなどを書かせます。誰にでも簡単にできる作業をさせることで、側坐核を刺激します。

ぞう先生『うちの子、脱・三日坊主宣言!』(総合法令出版)
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また、子どもが興味を引かれるような内容からスタートすることも多いです。社会科ならば、写真を見せることからスタートして、「これは何かな?」「この写真から気がついたことは何かな?」など、興味を持たせることを最初に行います。

よく冗談でわが子に、「やる気スイッチはどこにあるんや?」なんて言いますが、そういったものはそもそもなく、5分間だけやれば勝手にスイッチが入るように脳はできているのです。

また、やる気にさせるには見通しを持たせることも大事です。これをやることでどんな素敵な未来が待っているのか、それをどうやれば実現できるのか、これが見えてくるとようやくやってみようかなと思うものです。そういったものを用意することが大事ですね。

まとめ:やる気になりたいなら5分だけやる
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