クリエイティブな人間になるにはどうすればいいか。NHK Eテレの特撮テレビドラマ『TAROMAN』を手掛けた映像作家の藤井亮さんは「目新しさのヒントはトレンドを漁っていても見つからない。あえてみんなとは違う山に登り、王道からの違和感やズレによって目立つことを目指してみるのも一つの手だ」という――。

※本稿は、藤井亮『ネガティブクリエイティブ つまらない人間こそおもしろいを生みだせる』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

常に流行コンテンツを追ったほうがいい?

クリエイターたるもの、常に最新のコンテンツをキャッチアップしていなければなりません。SNSで話題の新作は逃さずに追いかけてインプットしましょう。

……みたいな人からすると、僕はまったくもって失格の人間です。世の中から置いてけぼりにされるようなインプットしかしていません。欠かさず追いかけているのは、子どもと一緒に見ている『おかあさんといっしょ』くらいです。

もちろん、見る側としては新しい刺激を求めるのはとても楽しく、それでまったく問題ないのですが、つくる側になったとき、その姿勢は単純にクリエイターとして効率が悪くはないでしょうか。

常に流行のコンテンツを追っているばかりでは、「こういうのがウケている」「流行りに乗っかろう」として、無意識に二番煎じの後追いコンテンツをつくってしまう気がするのです。「冷静な分析によるマーケティングとはそういうものだ」と言われたらそうかもしれませんが、せっかくつくるのであればなにか目新しいものをつくりたいものです。

あえて誰も登っていない山に一人で登る

その目新しさのヒントは、トレンドを漁っていても見つからないと思います。みんなが集まっているところは一見正解に見えますが、そこへ行かないと間違いなんじゃないかと不安に駆られる元でもあります。

それなら、みんなが大挙して夢中で登っている山の最後尾に今から並んで登るよりも、まだ他の人が登っていない山を登るほうが、新鮮でおもしろい景色が見えるかもしれません。

まるでただの天邪鬼のように聞こえるかもしれませんが、この「まわりの人があまりインプットしていないものを摂取する」というのは、クリエイティブにおいては本当に効果的で、しかも簡単にできるやり方です。

もちろん、みんなが知っている王道を狙ったコンテンツで超ハイクオリティのものがつくれたら最高ですが、ほとんどのクリエイターにはそれを許されるチャンスもバジェットもなかなかもらえません。

だったら、あえてみんなとは違う山に登り、王道からの違和感やズレによって目立つことを目指してみるのも一つの手です。そのほうが見ている人の心にひっかかりやすくなるからです。