「池袋母子死亡事故」加害者は認知症ではなかった

2019年4月19日、東京の池袋で乗用車が暴走して多重衝突を起こし、母子2人が死亡、9人が重軽傷を負うという痛ましい事故が起こりました。

加害者となったドライバーは87歳(当時)の男性。パーキンソン病の疑いはあったものの、認知症ではなかったとされています。

「認知症」と書かれたニュースの見出し
写真=iStock.com/y-studio
「池袋母子死亡事故」加害者は認知症ではなかった(※写真はイメージです)

少なくとも、警察の事情聴取や現場検証においては、しっかりと受け答えができていました。

加害者および弁護人は当初「車の電気系統の故障」を主張していましたが、その後の捜査により、事故原因はブレーキとアクセルの踏み間違いであると認定。裁判で禁錮5年の有罪判決がいい渡されました。

脳の萎縮が進み、白質病変が発生していた可能性

このニュースは大々的に報じられ、高齢ドライバーの運転がそれまで以上に問題視される一因となったので、みなさんの記憶にも深く刻み込まれていることでしょう。

私はこの加害者を直接診ていないので断定はできませんが、事故の引き金となったブレーキとアクセルの踏み間違えを引き起こした要因について、「おそらくこうであろう」というひとつの確信めいたものを持っています。

それは、脳の萎縮が進み、白質病変が発生していたのではないかということです。