まずはホテルの清掃から始めて、経営に乗り出す

具体例を挙げましょう。「ホテル管理会社を作ろう」と考えるとき、いきなり多数のホテル管理を担う大きな会社を作るのは、リスクが大きいです。

私ならまず、「ホテルの清掃」に絞った小さなビジネスからはじめます。清掃に特化した会社を作り、ホテル管理会社やホテルからの外注を獲得し、ビジネスをはじめるということです。

ホテルの室内を清掃するイメージ
写真=iStock.com/DragonImages
※写真はイメージです

そのようなビジネスなら低リスクで、利益も出しやすいでしょう。何よりも、ホテルやホテルに関係する他の企業・ビジネスパーソンとのつながりができてくるはずです。

人脈や経験を得た後は、ホテルにまつわる他の領域(飲食やブライダルなど)に、やはり小さく進出します。

さらにそこでも利益が出るようになったら、ついに本丸であるホテルそのものの経営に乗り出し、会社を大きくしていくことができるでしょう。

まずは、成功しやすい分野で小さくシンプルなビジネスをはじめる。それが成功への第一歩です。

「基本給」という極めてヘビーなコストが発生せず、黒字化しやすい

ビジネスには、「重いビジネス」と「スモールビジネス」の二つがあります。私が勧めるのはスモールビジネスです。

重いビジネスとは、コストが大きいため利益率が低くなる大規模なビジネスのことです。たとえば、自動車メーカーや建築会社がそうです。仕入れにも人手にもコストがかかります。

こういった企業は売上が大きいので利益も大きく見えますが、実はコストも大きいのです。

当たり前のことではありますが、利益は「売上げ-コスト」によって算出されます。

そして、何度も書くように、ビジネスで重要なのは売上よりも利益なのです。

一方のスモールビジネスとはコストが小さいビジネスのことで、物販ではなくサービス業が主流です。

以前私が手掛けていた民泊管理会社は、スモールビジネスでした。なぜなら、民泊管理の「ノウハウ」を売っていたからです。ノウハウを売るなら、あまりコストはかかりません。

人件費を抑えるのがスモールビジネスの重要なポイントです。しかし、人手がかかるビジネスでも、スモールビジネスモデルは実現可能です。

やはり、私が以前手掛けた清掃会社は、清掃スタッフは必要でしたが、モノは売らずに「労働力を売る」軽い会社でした。スタッフもアルバイトとして、コストを最小限にしました。

今は昔とは違い、スモールビジネスを立ち上げやすい時代です。たとえば、20年前に自社のビジネスを広げようと思ったらたくさんの営業パーソンが必要でしたが、今は多数のSNSインフルエンサーが存在します。

営業パーソンを雇わず、インフルエンサーに案件ごとにフィーを払う形式ならばコストは大幅に抑えられるでしょう。案件ごとの契約ならば、「基本給」という極めてヘビーなコストが発生しないからです。

このようなスモールビジネスを勧める理由は、とにかく黒字化しやすいからです。

仮に売上が落ちてしまっても、コストが小さければ黒字を維持できます。当たり前のようですが、これは極めて重要なポイントなのです。