あいこになったら、次に自分はその手に負ける手を出す

それでは、「相手が同じ手を連続して出す確率は低い」ということを利用して、あいこの次の手で勝つ確率を上げる方法を考えてみます。

例えば、自分と相手が同じ「グー」を出してあいこになったとします。

次に相手が出す手が「グー」である確率は22.8%ですから、それ以外の手(「チョキ」か「パー」)を出す確率は77.2%(=100%-22.8%)です。

ということは、「チョキ」を出しておけば77.2%の確率で負けないということになります(図表3)。

同じように、ほかの手についても負けない確率の高い手を考えると、一度目にあいこだった手が、

「グーの場合」:二度目は「チョキ」を出す
「チョキの場合」:二度目は「パー」を出す
「パーの場合」:二度目は「グー」を出す

これが最善の手となります。

覚え方は簡単です。「2人でじゃんけんをしてあいこになったら、次に自分はその手に負ける手を出す」ということです。

もっと勝率を上げる交渉の持ちかけ方

「じゃんけんの必勝法」といっておきながら矛盾しますが、運のゲームやギャンブルには100%勝つ方法は存在しません。

初手で一番強い「パー」を出して、10人と対戦したとしたら約3人(31.7%の確率)には負けるわけです。確率が100%ではない以上、それ以外の事柄が起きる可能性は0ではありません。

一番勝率が高いと予想される「初手ではパーを出す」という選択は間違いではないのですが、もっと勝率を上げる方法が存在します。

それは、一回ぽっきりのじゃんけんで勝敗がつくルールではなく、「複数回の勝負にして、勝った回数が多いほうが勝利する」というルールにしてしまう方法です。

わかりやすくスポーツで考えてみましょう。

例えば、バレーボールは5セットのうち3セット先取したチームが勝利です。これがもし、1セットだけで勝敗がついてしまうルールだったらどう思いますか?

ワールドカップを観戦していて、1セットで日本チームが敗れてしまったとき、「今回はたまたま負けただけ。日本の実力はこんなものではないはず」と思う人もいるのではないでしょうか。

同時に「もうちょっと試合を長くやってくれないと、“本当の実力の差”がわからないよ」といいたくなるのではないでしょうか?