そのカギは、体の「重心」にあります。ほとんどの人は、筋肉が固くなると同時に、重心が下がっているのです。人はただでさえ重力の影響を受け、常に上から押されています。さらに背中の筋肉が固くなると、縮まったまま伸ばせなくなるので、重力に負けて体の重心は下がっていきます。

重心が下がると、肋骨と骨盤の間のすきまが狭くなります。行き場を失ったお腹のお肉は前に出るしかなくなり、内臓も押しつぶされて前に出ます。だから体重が増えたわけではないのに、お腹がぽっこり出てしまうおじさん体型・おばさん体型になるのです。

逆に、重心を上げて肋骨と骨盤の間を広げると、体重を減らさなくても、自然に腹筋が使えて骨盤が立ちやすくなり、お腹はへこみます。「重心を上げる」と言っても、がんばって引っ張り上げる必要はありません。背中の筋肉をゆるめて、骨や内臓を本来のポジションに戻すことが大切です。

老化や肥満のせいだとあきらめないでほしい

背中がゆるんで骨が正しいポジションに戻ると、見た目がガラリと変わります。太って見える原因は、やはり「背中の固さ」にあるからです。背中が固くなると、上半身も下半身も筋肉が内側に巻き込まれて、「前に前に」引っ張られるようになり、筋肉が前に広がって太ったように見えてしまいます。

老化や肥満のせいだとあきらめないでください。ただ正しい位置に戻るだけで、二の腕や太ももは細くなり、お尻は小さくなります。私の教室の生徒さんでも、3カ月でパンツがワンサイズダウンした生徒さんがたくさんいます。

もちろん特別な食事制限などはしていません。信じられないかもしれませんが、ただ背中の筋肉をゆるめるだけで、長年のコンプレックスが改善できるのです。

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