男性スタッフは「赤いマント」に「キラキラ帽子」

第5回のドラキュラ男の登場で、すっかり飲み会(合コン)にこりてしまった私は10月下旬、再び個別の個室パーティへ。といってもブース形式で1対1ではなく、バーのラウンジで飲み物片手に異性と話していくというわりとフランクな雰囲気なものを選んだ。

パーティの参加要件は、男性が「40~52歳で年収800万円以上か公務員、もしくは上場企業の勤務」という厳しさで、女性は38~48歳という年齢制限のみ。そして男女共通で「1か月以内にお付き合いをスタートしたい方」が対象だ。参加費用は男性が5500円、女性が3000円。ここにアルコールを含む飲み放題がついている。

会場に着くと、受付は珍しく男性スタッフが担当していた。ハロウィンを意識してか、膝丈の赤いマントを羽織り、キラキラした紙の帽子をかぶっている。そういったスタッフの場を盛り上げようとする姿を見ると、私はお膳立てをしてもらわないと何もできない人間のような気がして、どうもみじめな気持ちになってしまう。

身分証の確認後、「あちらの飲み物コーナーから乾杯のドリンクをおとりください」とうながされた。

ダンスクラブのパーティーで飲み物を乾杯する人々のグループ
写真=iStock.com/NanoStockk
※写真はイメージです

ホストのような雰囲気が漂う「会社経営者」

参加者全員が飲み物を手に座ったところで、マントを羽織る受付男性がマイクを握る。

「本日司会を務めさせていただきます。パーティの流れは、ご自身のスマートフォンで異性の方のプロフィールを見ながら、お一人につき7分程度、1対1のトークタイムとなります。本日男性様8人、女性様7人の参加ですので、毎回お一人の男性は休憩になります。トークタイム終了後、いいね!や連絡先の送信タイム、そして最後にマッチングタイムがあります。乾杯の後、まずは目の前の方との自己紹介から始めてください」

そう言うと、受付男性は自身が持つグラスを上にかかげる。

「すてきな出会いにかんぱーい!」

元気な声が響く。対して会場内では参加者のボソボソと挨拶している声がそこここで聞こえる。

私はこの日、7番だった。目の前に座る同じ7番の男性・知広さんと目が合う。プロフィールを見ると、私より年下の42歳。つぶらな瞳でまつ毛が長く、色黒で黒っぽいスーツを身につけ、まるでホストのような雰囲気が漂う。しかし、職業には「会社経営」とあった。