「教育ママ」というよりも「教材ママ」

こういった妻は、幼児の頃から学習塾に通わせたり、高度な小学校を受験させたりすることに没頭する「お受験ママ」とはまたタイプが違います。こちらは、「詰め込まない」「簡単に賢くなる」「早期天才児教育」という触れ込みに魅力を感じて、効果がわからない教材に手を出してしまうので、いわば「教材ママ」と言えるかもしれません。

とはいえ、妻自身が効果をわからないままやみくもに子どもに教材を与えているため、残念ながら満足な効果は上がりません。妻自身も、どこかで自分の教える能力に限界を感じます。そのため妻は焦り、子どもに感情的に当たり散らしたり、さらに高価な教材を買い与えようとしたりすることもあります。

このような問題が起きる夫婦は、妻が専業主婦であるなど、子育てのメインを妻が担っていることが多いです。もちろん夫は妻の教育方針に疑問を持ちますが、妻の方が子に接する時間も多いため、関与するにも限界があります。

教育に対する意見の違いが離婚のもとに

そして、多くのケースでは、子どもが小さいうちは習い事の感覚で片づけられるのですが、小学校に上がる頃に、夫婦の認識のずれが表面化します。

例えば、妻がインターナショナルスクールに行かせたい、海外の小学校に留学させたいと言い出すのに対し、夫が反対し、トラブルになるのです。A夫さんのように、夫婦の意見がどうしても合わないと、別居や離婚に至ってしまいます。時にはお互いの実家も巻き込んでの大げんかになることもあります。

子どもの教育は子育ての大きなトピックです。そこには自分が育ってきた環境や価値観が色濃く反映されます。できれば結婚前に子どもの教育観についても話し合い、相手をよく知ってから結婚することをおすすめします。結婚後も、また子どもが生まれてからも、夫婦で継続的に意見をすり合わせておくのがよいでしょう。

【関連記事】
「専業主婦のいる家庭」は確実にプアになる…小学生でもわかる「お金持ちの方程式」が示す残酷な事実
「子どもを公立に行かせる」と言い出せない……世帯年収1150万円で新築タワマンを買った共働き夫婦の悲劇
"ちょっとおかしくなった"わが子を温泉に連れて行ったら…灘→東大合格してすぐにAI起業の恐るべき成長曲線
日本のワンオペ育児は外国では「7人分」の仕事量…毎日育児や家事でクタクタになる根本原因
小5の息子が「うっせえなあ、クソババア!」と逆ギレ…わが子を「キレやすい子」にした母親の"3つの口癖"