どうすればいいですか? と聞く前に調べよう

日本語では手に入らないような情報が、発信されている可能性は大きい。そうした情報を入手してからワーホリに行くのと、知らずに行くのとでは、大きな違いになるだろう。

それこそ、「レストランで働こうと足を使ってお店を回るとき、履歴書を渡すのはスタッフではなくマネージャーへ」というコメントを今回してくれた人がいたが、こういうことは英語圏内では当たり前のことなのかもしれない。

今回の取材で、こんなコメントをしていた人もいた。

「マネージャーを見つけたら、どんな風に挨拶すればいいでしょうか、という投稿が、フェイスブックグループにあったんです。それは違うだろう、と。自分で英語で調べればいいわけです。そうした調べる力が足りない。ネットを活用して、英語で調べられる力をつけてから来たほうがいい」

一方で、日本語での事前の情報収集も重要だ。日本人ならではの課題にも気づけるからである。家探しのトラブルや詐欺の話もそう。ワーホリやオーストラリアに関するSNSをフォローしまくって情報収集をしたという女性がいたが、予備情報はあっただけいい。

シドニーの街並み
筆者撮影

「わからない」と言えない日本人が多い

それこそ私も体感したが、現地ではランチのからあげ定食が2000円、夜ならラーメンに生ビールをつけると3000円を超える。これはまさに日本人の感覚でわかりやすいが、外食を繰り返していたら、あっという間にお金はなくなってしまうということだ。ブリスベンでワーホリ中のKさんは、こんなことを語っていた。

「そんなに貯金がなくて、最初の数カ月で大きく使ってしまい、今は苦しくて、なんとか家賃を減らし、どうにか生きている、という人もけっこう見ます。どんな状況になっても大丈夫なように備えておくことは大切です」

しっかり貯金をしてから向かわないと大変なことになる。そういうことも、肌感覚でわかるはずだ。

英語力という課題に加え、コミュニケーションで日本人が注意しなければいけないこととして指摘をしていたのは、日本食レストランのマネージャー・Sさんだ。

「日本人はシャイ、というか自分の思っていることを伝えない、という印象があります。わかった? と聞いても、うーんと言っていたりする。それで、やっぱりわかっていなかったりする。せっかく説明してもらったのに、わからないと言うのは申し訳ないという気持ちもあるようです。でも、そこではっきり意思表示をしないと、あとで困ることになるんです」