結婚も同じです。結婚って、ラブラブでキュンキュンすることだけではありません。ケンカすることもあります。でも、なぜケンカもするのに結婚し、子どもをつくるのでしょうか。それは、それ以上に幸せなことがあるからです。

その大変さを乗りこえるたびに、おたがいが結び合い、助け合う存在になっていきます。家族は、宝なのです。

イスラム教徒の夫は家事・子育てに積極的

イスラム圏でも「子育てや家事は女性の仕事」という文化が根づいています。パパが手伝わない国や地域もありますし、家庭によってはお手伝いさんがいる場合もあります。

ただし、これは国や地域の文化や、家庭の事情によるものなので、イスラム教は関係ありません。それどころか、じつはイスラム教徒(ムスリム)には、家事や子育てを一緒にやってくれるパパが多いのです。

イスラム教を始めた預言者ムハンマドは、妻が家事でいそがしければ自ら台所に立ち、お裁縫までしていました。イスラムが誕生したのは、今から1400年も前。一方、私が育ったのは、約20年前の昭和時代です。そのころの日本では、パパが子育てを手伝い、お料理やお掃除をする家庭なんてめずらしいくらいでした。

森田ルクレール優子『イスラムと仲よくなれる本』(秀和システム)
森田ルクレール優子『イスラムと仲よくなれる本』(秀和システム)

それがイスラムでは1400年も前から、しかも預言者という立場でありながら実践していたのです。ムハンマドは「もっともよい性格の信者とは、その者の妻たちに対して、もっともよくする者」と言いました。そしてムスリムは、ムハンマドのように生きることを模範としています。ですからイスラムでは、パパがママの仕事を手伝うのです。

私の夫も、もちろん家事をしますし、一緒に子育てをしています。お料理、お掃除はもちろん、ゴミ捨て、子どもの送りむかえなど、細かいことまで何だって積極的におこなっています。

フランスではよく水回りが壊れるので、修理屋さんが来た際や、荷物をとどけに配達員さんが家に来た際も、夫が出て対応しています。また、女性は外出するのに時間がかかるので、わが家では夫にたのんでいます。

イスラムのパパって、家庭でも本当に働き者なのです。

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