自分や周囲、顧客にも“いいことずくめ”

強調してお伝えしたいのですが、「がんばらない」というマインドを持つこと、それはサボることではありません。限られた時間で、効果が高い仕事に集中し、よりよいパフォーマンスを引き出すためには、絶対必要なことなのです。

これにより、僕たちは「限られた時間の使い方」が改善され、毎日をより充実させることができます。自分にとっても、周囲にとっても、もちろんお客様にとっても、“いいことずくめ”なのです。

もし、周りからの期待に応えられないと不安を感じるときは、自分の気持ちや今の状況をきちんと言葉にして、相手に伝えましょう。

外資系企業で海外のメンバーと毎日仕事をしていた僕の経験から言うと、日本人は、このちょっとしたコミュニケーションが苦手な傾向があると思います。そのため、高い能力をお持ちでありながら、思うような成果を上げられていないケースが多いと感じます。これは、とてももったいないです。

オフィスでカジュアルなミーティングをする人たち
写真=iStock.com/alvarez
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拙著『やることを8割減らすダンドリ術』では、その「ちょっとしたこと」のポイントとコツをお伝えし、ダンドリのうまい、要領のいい人になっていくコツをご紹介しています。

「絶対に必要なこと」以外はやらない

本当に大事なのは「クリティカルでなければ、とにかくやらない」という考え方です。ここでいう「クリティカル」とは、「きわめて重要」や「深刻」、「大きな影響を及ぼすこと」というくらいの意味合いです。

つまり、「絶対必要でなければ、とにかくやらない」という考え方のことです。

ダンドリ上手な人は、進め方がうまいだけではありません。自分が「やるべきこと」と、「やらなくてもいいこと」を見分けるのがうまいのです。自分のやりたいことや、やるべきことには全力を注ぎますが、それ以外のことには気をつかわないのです。

やらなければならないことを増やさないためにも、「やらないと深刻な問題になることや、あとから修正するのが難しいこと」だけに集中することをオススメします。

目指すべきは「8割やらない」ことです。