外資では「定時内」に成果を出すのが当たり前

大学卒業後に、はじめて入ったベンチャー企業では、僕は「とにかくがんばる」「週末もがんばる」みたいな感じで、仕事中毒になっていました。当時、がんばればがんばっただけ成果が出たこともあって、さらにがんばろうという気持ちになり、かなり長時間、仕事をしていました。

しかし、外資系企業に転職したときに、この「がんばる」だけでは、うまくいかないことを痛感しました。今となっては日系企業でも当たり前のことですが、僕が転職した外資系企業では、残業して結果を出すなんてもってのほか。「定時内」で成果を出す必要がありました。

今までの僕の「がんばる」は、「長時間、がんばって仕事をする」「気合と根性でがんばる」という意味だったので、外資系企業で必要とされる、限られた時間で成果を出すためのがんばり方ではなかったのです。今すぐ根本的に働き方や考え方を変えないと、自分の役割を果たせないということを悟りました。

また同時に、「自分のペースで進むことが大切だ」とも気づきました。他の人と比べて、無理に自分にプレッシャーをかけたり焦りを感じたりすることはない。むしろ、その焦りが、ミスや失敗を引き起こすことも多いのだ、と。

ミーティングで中心になって話す若い男性
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「がんばらない」選択をすることが大切

そこで、「成果を出すために、どの仕事に集中すべきか?」「なぜ、それに取り組むのか?」という大切な質問に真剣に向き合い、考え始めました。

その結果、「効果が高い仕事に集中する」こと、また、「クリティカル(きわめて重要なこと)かどうかで判断し、やらないことを増やす」ことなどが、ダンドリの成功のカギだと理解しました。

ただ同時に、注意しなければいけないこともわかってきました。

それは、「がんばらない」という選択をすることも大切だということです。

通常、僕たちが「がんばる」って考えたとき、「あれもやらないといけない」「これもやらないといけない」と考え、かえってやることを増やそうとしてしまいがちです。

ただ、それらの作業は、相手が納得する成果を出すために、絶対に必要な活動とは限りません。つまり、「本来なら、あなたがやらなくてもいい仕事」を、自分で増やしている可能性があるのです。

これは逆にいえば、「がんばらない」を選ぶことで、「不必要な仕事の増加」を止めることができるということです。僕たちは、そんなちょっとしたことで、自分の時間を奪うものを、減らすことができるのです。