郊外タワマンは「限界団地」になる未来も

ただし、投資は自己責任と言われるように、買うときは「安い」時に、売るときは「高い」時に、が鉄則だ。そうした意味で、かなり特異な相場観が形成されつつある現在、今が買い時であるかについては意見が分かれるだろう。

郊外ターミナル駅前や衛星都市のタワマンはどうだろうか。この手のタワマンには投資マネーはあまり入ってこない。つまり一般的な住宅としての居住性や利便性がポイントになる。つまり日本の今後の経済成長や街、エリアとしての成長可能性を考えて検討することになる。

もちろん居住環境がよければ「買い」は正しいが、人が常に出入りするような新陳代謝がきちんと行われている街、エリアを選択することだ。そうでないと、高度経済成長期から平成バブル崩壊までに開発された世の中の多くのニュータウンや団地と同じ運命になる。そのために今、多額のローンを組むというのはあまり賢い選択とは言えないだろう。

ましてやタワマンは団地以上に維持にお金がかかるものだということをよく認識したほうが良い。マンションは年を追うごとにどうしても経年劣化する。設備の修繕や更新、外壁などの補修をまめに行っても、近くに続々と立ち上がる新築物件との差は歴然としたものになる。

崩壊している不動産市場のグラフ
写真=iStock.com/lerbank
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「タワマンである」自体に価値があるわけではない

いっぽうで青山や白金といったエリアはエリア自体にブランド価値がある。そうした意味では建物の劣化をある程度覆い隠してくれ、資産価値が落ちにくいのだ。また、これらの立地は元来住宅地としての地位を確たるものにしてきたところが多いため、容積率が低く抑え込まれていて、高層の建物はそもそも建設できない。その多くが3階から5階程度の低層のマンションとなる。

このように考えてくると、タワマンの資産価値とは「タワマンである」ことに価値があるのではなく、短期的な売却を繰り返すことで利益を得る投資商品としての意味合いが強く、長い時間軸で資産価値を醸成していく代物ではないといえそうだ。

マンションに限らず、不動産の価値は土地、立地価値で決まる。ましてや一般人が利殖の目的で、あるいはみんなが買っているから、などといったあいまいな動機で買ってしまってよいものでは決してないことを肝に銘じておくべきだ。

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