仕事の棚卸しをして、優先順位をつける

では、上司はいかに対処すべきか。結論から言うと、部下同士のお互いさまの察し合いに委ねるのではなく、最初から休職者のフォロー業務も他の部下の役割として明確に定義することだ。また、チーム全体としてオーバーフローを起こさず、かつフォロー業務を担う部下の動機づけも丁寧に行いたい。

具体的に、休職希望者が出た際にまず取り組みたいのが、休みに入る部下の仕事の棚卸しと優先順位づけを行い、一つひとつの仕事について望ましい対応を明らかにすることだ。

[図表1]は、効果的なタイムマネジメントを目指し、チームが顧客と社会に提供する価値を重視しつつ、チーム内の仕事を効率化するために仕事の取捨選択を行う際に用いるために私が考案したフレームだ。

縦軸は、その仕事が顧客や社会に対し提供する価値の高低。横軸は、社内の慣習やルールによる制約の大小。その組み合わせで、仕事を4象限に分類する。

分類①は社外的にも社内的にも必要性が小さく、すぐにやめて構わない仕事。分類②は社内外で必要とされていることから、さらにアクセルを踏むべき仕事。分類③は社外的な必要性は小さいが社内的には継続しており、本当に必要か否かあらためて精査すべき仕事。分類④は社会的に求められながらも社内にはなく、みんなで知恵を出し合い新たに創出すべき仕事だ。

休職予定の部下本人とも話し合って仕事を精査

[図表1]は仕事の見直しのために、いつでも活用できるが、休職する部下の仕事を精査する際にも応用できる。上司は、まず休職予定の部下本人とも相談しながら、このフレームを用いて仕事の取捨選択と優先順位づけをすることが有効だ。

分類①はチーム内での合意で、すぐに廃止できる。これに対し、分類③をやめるには社内のコンセンサスも必要であり、上層部と相談や調整を行うことが上司の仕事になる。積極的に進めるべき分類②や、新たに創出したい分類④については、その進め方を休職する本人ともよく相談しよう。

本人が休職制度を有効活用しつつも、継続して担える役割は残すことも検討したい。前述した産後パパ育休(出生時育児休業)も、労使協定や合意を前提に休業中でも一定範囲で就業が可能になるなど柔軟な使い方ができる。在宅勤務やリモートワークが一般化した今、マネジメント業務や企画・調整業務など、部分休職と組み合わせながら継続可能な仕事も少なくない。本人の状態や希望と折り合うならトライしてもらうことも一案だ。また、仕事の内容や本人のキャリア希望に応じて、休職明けに本人が担う仕事も明確にしよう。

こうした検討を経た上で、チームに残すべき仕事を精査することになる。