また、親は、「子どものよいところ」を探す練習もするといいでしょう。子どもを見ていてネガティブな言葉が思い浮かんでしまったら、それをポジティブな言葉に変換します。たとえば、「忍耐力がないなあ」と思ったら「切り替えが早いね」というような具合です。

子供は大人の振る舞い、言葉遣いを観察している…

さらに、同じ言葉でも、「言い方」によって伝わり方がポジティブにもなり、ネガティブにもなります。

成田奈緒子、上岡勇二『その「一言」が子どもの脳をダメにする』(SB新書)
成田奈緒子、上岡勇二『その「一言」が子どもの脳をダメにする』(SB新書)

にっこりとした表情で高いトーンの声で話すのと、暗い表情で低いトーンの声で話すのでは、同じ内容でも全く印象が変わります。ポジティブな伝え方をするには、表情や声のトーン、話す速さを工夫することも大切です。

親が伝え方のバリエーションをたくさん見せていると、子どもも表情が豊かになり、コミュニケーションがうまくなります。子どもは、大人の言葉や振る舞いをお手本にして育ちます。まずは大人から、ポジティブな振る舞いや言葉遣いを心がけましょう。

また、子どもは不安な気持ちを和らげるために、大人は日々のストレスを解消するために、リラクゼーションのストックを持つこともおすすめします。

特に親は、育児などのストレスがたまりすぎると、それを子どもの前で爆発させてしまうことになりかねません。自分にとってストレス解消になるリラクゼーションは何でしょうか。

「友達とランチをする」「映画館で映画を観る」「お風呂に入る」「アロマをたく」「ジョギングをする」……自分の脳が楽しくなる、癒されることは何かについて考えてみましょう。

親も、子供も、リラックスできる習慣を持とう

誰かと一緒にすること、一人でもできること、外ですること、その場でできること、お金がかかること、無料でできることなど、リラクゼーションにもさまざまなバリエーションがあります。状況や気分に合わせて方法を選べるようにストックを持ちましょう。

さらに親は、リラクゼーションの方法を子どもにも伝えることが大切です。子どもが自分自身でストレスに対応できるように育てていきましょう。

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