たとえば、「上司にギリギリのスケジュールを組まれると、急がないといけないからみんな疲れてしまって、いい仕事ができなくなってしまうんだ。そうすると、また上司が怒って……。やっぱり仕事はギリギリでなく、余裕を持って進めないとダメだよね」という感じです。

父親がどんな仕事をしていて、どんなふうに大変かを知ることは、大人社会を知ることです。知らない世界について知ることは、子どもの脳への刺激となり、脳を豊かに育ててくれます。

父親が言い過ぎたら、母親の出番

しかし、ヒナコの父親は、「適度に」仕事の大変さを語るのではなく、自分の仕事の大変さを「過剰に」語ってしまいました。

もし、父親が子どもに「言い過ぎてしまっている」と感じたら、母親の出番です。とはいっても、父親に「お父さん、そんな言い方はしないで、もっといいことも言ってあげて」と面と向かって言うのでは、夫婦ゲンカになってしまうと思います。母親は、その場ではなく、後でさりげなくフォローしましょう。

成田奈緒子、上岡勇二『その「一言」が子どもの脳をダメにする』(SB新書)
成田奈緒子、上岡勇二『その「一言」が子どもの脳をダメにする』(SB新書)

ヒナコは中学生なので、前頭葉がかなり育ってきています。中学生になったら、もう子どもとして会話するのではなく、「年の離れた友達」として接するのがいいでしょう。

たとえば、「お父さんは毎日遅くまで大変な仕事をして、この家を支えるためにお金を稼いでくれているよね。社会人として、責任感のある立派な大人だね」と伝えた上で、「お父さんはああ言ってるけど、結構休みも取れる仕事なんだよ。

独身の頃は、お母さんとデートだってしていたし、今も仕事を休んでゴルフへ行くこともあるしね。子どもの前だと思ってちょっと盛り過ぎてたよね~」などと、ユーモアを交えながら、働くことのポジティブな面も伝えてあげるのがいいと思います。

子供の成長は親の声かけ次第

最近、将来に夢や希望を持っている子どもたちが少なくなっていると感じます。将来の夢を聞くと、「特にない」「考えられない」などと答える子どもたちばかりです。子どもが夢や希望を語れない世の中になってきているのは、大人の責任だと思います。夢や希望を持ってもらえるように、私たちは知恵を使って言葉がけをしましょう。

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