西成区長
臣永正廣氏

西成区の臣永(とみなが)正廣区長は、区内の生活保護受給者を2年後までに半減させるとの目標を掲げる。高すぎる目標について、臣永区長は「橋下市長のスピードを考えると、これぐらいの勢いでやらないとダメだと思った」と話す。

「区長の公募も、周りの人たちは夢物語だろうと思っていました。西成にとっては、この機会を逃してしまうと次はない。仮に橋下さんではない人が市長になることがあれば、西成が切り捨てられる恐れがあります」

臣永区長は徳島県出身。約20年間、雑誌記者として活躍した後、地元にUターン。徳島県那賀川町長を2期務めたが、合併で失職。退任後は大学病院で広報を担当していた。4男1女の父親で、就任に伴い、区内へ妻と移住した。

区長に託された重要な仕事には、区政改革に加えて、「合区」の案をまとめるというものがある。橋下市長は、現在24ある行政区を、8から10程度の特別区に編成し直すことを目指している。合区にあたっては、「地元の意見を尊重する」として、区長を中心に案をまとめる。様々な問題を抱える西成区は、合区問題の焦点のひとつだ。臣永区長はいう。

「西成の結核罹患率はアフリカより高いと揶揄されている。思い切った施策で、合区の議論ができるような形にしたい」

区長は「局長より上」(橋下市長)で、市長に次ぐ一般職最高位のポストと位置づけられている。24人のうち、男性は22人、女性は2人。年齢は27~60歳で平均年齢は48歳。任期は4年間。年収は18人の庁外公募(外部)が1400万円、6人の庁内公募(市職員)が1200万円となる。

今回、プレジデントでは8月1日に着任した22人の区長にアンケートを実施。このうち18人から回答を得た。回答者のうち、「区長の給与水準」には外部からの2人が「高すぎる」と回答。また「収入の増減」については9人が「増えた」と回答し、「減った」と回答したのは元関西電力社員の都倉尚吾鶴見区長だけだった。