リテンションの文化を築く

「市場環境のよしあしにかかわらず、トップクラスの人材には常にチャンスがある」。こう語るのは、プライスウォーターハウス・クーパーズのアシュアランス&ビジネス・アドバイザリー・サービス部門のリーダー、フランク・ブラウンだ。

「本当に重要なことは、すべての社員をつなぎとめる文化を築くことだ」とブラウンは言う。つまり、「『自分の仕事は評価されているか』『自分の意見は重視されているか』『新しいアイデアが歓迎されるか』『社員が敬意をもって遇されているか』『自分はパフォーマンスに応じた評価と報酬を受けているか』『リーダーたちは誠実に行動しているか』等々の問いに、社員が『イエス』と答えられる文化」である。

リテンションの究極のカギ

社員の忠誠心を高めるための企業のさまざまなアプローチ──対象が広いもの、狭いもの、短期的なもの、長期的なもの──について1つの普遍的真実を言うと、社員は誠実に遇されていると感じていれば、厳しい時代を耐え抜く可能性が高いということだ。

「企業が社員の好意的な感情を維持したり取り戻したりすることができない理由はない」とチャレンジャーは語る。「大規模なダウンサイジングを行いながら、残った社員も解雇された社員も今なお会社に好感情を抱いている企業の例はいくらでもある。煎じ詰めれば、社員がどのように遇されているかがポイントなのだ。社員が会社は公平で誠実だと感じていれば、彼らはダウンサイジングにも、給与の凍結にも、諸手当のカットにも、さらにはボーナス・ゼロにも耐えて会社に残るだろう」。

(翻訳=ディプロマット)