なぜ、トヨタの工場には標語が少ないか

そんなトヨタの工場で見かける標語はひとつだけ。

「よい品、よい考」

頑張ろう、目標必達のようなわざとらしい言葉、押しつけがましい内容のことは標語にしません。

上司も「頑張れ」とか「一生懸命やれ」とは言いません。叱責しっせきもしません。

「結果を出せ」
「プロなんだから、プロの仕事をしろ」

これだけです。

そんなトヨタの現場で、いいなあと感じたのは社長とおやじが工場から出ていく時の姿です。

ふたりは缶コーヒーを飲んで、話した後、工場を後にするのですが、建屋から出ると、くるりと振り向いて、帽子を脱いで頭を下げます。そして、何事もなかったかのように本社の事務室へ歩いて戻ります。

何気ない動作ですが、それは工場と機械と働く人たちをリスペクトしているから自然にできることなのでしょう。

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