人生なんて全部遊びなんだと捉えて取り組む

だから「遊びこそ人生の目的である」という考えを持って、その遊びを本気で、真剣にやる。

できれば仕事も遊びの1つだと思い込めれば幸せです。

人生全体を遊びだと解釈できれば、いつだって楽しく生きられます。

逆に「仕事だけが生きがい」という人は、引退後にその生きがいがなくなってボケていくという話もよく聞きます。

だから仕事より遊び、できれば人生なんて全部遊びなんだと捉えて取り組んでいる方が、幸せに過ごせるのです。

遊びと聞くと、多くの人は子供の遊びや趣味を思い浮かべるでしょう。

遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生まれけん
遊ぶ子どもの声聞けば 我が身さへこそ揺るがるれ

と『梁塵秘抄』にも詠われています。

小さな子供は無職でお金はなくても、何が楽しいのかもよくわかりませんがなんで友達なのかわからない子供たちと夢中でキャッキャウフフと騒いで走り回っています。

「真剣に遊ぼう」とは夢中になって遊ぶことです。子供だけでなく幸せになるには大人も遊ぶことに夢中にならなければなりません。遊びに真剣に取り組むことで、人生の質を向上させることができます。遊びが大人にもたらす意義や価値について、詳しく解説してみましょう。

庭で遊ぶ子供たち
写真=iStock.com/lisegagne
※写真はイメージです

遊ぶ目的は遊び

遊びの定義は、楽しむことや自由な時間を過ごすことなど様々ですが、一般的には目的や目標を持たずに楽しむ活動とされています。遊びはストレス解消やリフレッシュに繋がり、また自己成長や人間関係の深化、新たな発見やインスピレーションを得ることができます。

しかし、一番大切なことは、何かの役に立つからとか、別の目的のための手段として遊んではならないということです。それではお金のために働くのと変わりません。

真剣に遊ぶとは、子供が無心にただ楽しいから遊ぶように、他に何の目的もなく、ただ楽しいから遊ぶことで、資本による労働の疎外によって忘れさせられてしまった、お金のために働くのではなく、それ自体が自分にとって楽しいから働く、という本来の労働の悦びを思い出すためです。

仕事の役に立つからとか、自己実現のためとか、人間関係を広げてコネを作るとか、ストレス解消のためとか、何かのために遊んだのでは遊びの悦びは失われてしまいます。

遊びは遊びでしかないことは、子供でも知っています。ままごと遊びをする時、泥団子は食べられないこと、お母さん役をする子供も自分がお母さんでないことを知っています。

鬼ごっこの鬼は本当は鬼でなく、捕まっても殺されて食べられたりしません。サッカーでゴールにボールを蹴り入れたからといって、人生の勝者になるわけでもありません。

遊びは遊び、心の底では本物ではない、だということを知っているから、楽しめるのです。でも、こんなものただの遊びじゃないか、と思ったら白けてしまって遊びは台無しになってしまいます。

遊びは本物の人生でないことを知っているからこそ楽しむことができますが、遊びだからこそ真剣に遊ばないとその悦びは台無しになってしまうのです。