宝くじは税金とよく似ているが、消費税や所得税などとちがって国民全員に課税されるわけではない。宝くじを通じて「税金」を納めているのは、確率を正しく計算できないひとだけだ。そのため経済学では、宝くじは「愚か者に課せられた税金」と呼ばれている。

マネキネコ
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お金持ちになるもっとも確実な方法は、経済合理的に行動することだ。なぜなら市場経済とは、経済合理的なひとのところに富が集中するシステムなのだから。そう考えれば、宝くじ売り場に並んでいるひとがお金持ちになれない理由がわかるだろう。

なぜヒトはモノを所有したいと思うのか

シェアエコノミーというのは、家とか車とか、いろんなものをどんどんシェアする経済のことだ。ウーバーなどのライドシェアは「4人乗りの車を1人で運転するのはもったいない」、エアビーアンドビーの民泊は「使ってない家や部屋があるなら、旅行者を安く泊めてあげればいいのに」という発想から始まった。その背景には、インターネットなどの急速なテクノロジーの進歩がある。

モノを所有する理由を考えてみると、それは「必要なときにすぐに使えるようにする」ためだ。ペンをみんなで共有していて、メモを書こうとするときに誰が何分間使うかをいちいち交渉しなければならないのなら、ものすごく効率が悪い。だったら、それぞれが自分のペンを所有すればいい。

でも、ペンがいつでもどこでも好きなときに借りられるとしたらどうだろう。誰もペンを所有したいと思わなくなるんじゃないだろうか。

都市部では「クルマ離れ」が進んでいる

高級ブランドや宝飾品、家具や家電までシェアエコノミーの分野はどんどん拡大していて、いまでは結婚式などパーティに出るとき、ドレスやスーツ、アクセサリーなどすべてレンタルするのも当たり前になった。レンタルやシェアが便利になれば、所有しなければならないものは減っていく。

マイホームと並んで、かつてはマイカーが日本人の憧れだった。でもいまは、東京などの都市部では若者はほとんど車を買わない。駐車場代がもったいないし、使うのは月にせいぜい1度か2度だからだ。以前はレンタカーの手続きが面倒だったけど、いまは近くの駐車場に置いてある車をカーシェアでかんたんに使えるようになった。