これからは女性も働きやすい職場が増えていく

男女の社会的な格差を示すジェンダー・ギャップ指数で、日本は世界146カ国中116位と相変わらず最底辺だ。日本社会ではさまざまなところで女性は差別されていて、子どもを産むと専業主婦になって子育てに専念する女性がまだまだ多い。いろんな調査を見ると、彼女たちが会社を辞める理由は子どもへの愛情というより、出産にともなって会社での居場所がなくなったからだ。

でもこうした残念なことも、これからは変わっていくだろう。

1980年代まで、日本の会社では、女性社員は結婚したら辞めるのが当然とされていた(いまは死語だがこれを「寿退社」といった)。その後、「男女平等」の掛け声のもとで、結婚した女性も出産までは男性社員と同じように働けるようになった。

そしていま、多くの会社が、出産した女性に辞められると困るようになっている。採用広告を出しても応募がぜんぜんなくて、不足人員を穴埋めできなくなっているのだ。

子どものいる女性に仕事を任せようとしても、彼女たちが働きやすい職場にしないとどんどん辞められてしまう。「女だから」とか「子どもがいるから」という理由で待遇に差をつけるのはいまでは違法だ。このようにして日本の会社も、すこしずつではあれ、女性が活躍できる環境になっていくはずだ。

そう考えると、結婚や出産で仕事を辞めるのはものすごくもったいない。

専業主婦は人生で2億円損することになる

大学を出た平均的な女性が60歳まで働いたときの生涯年収は2億円だ。しかもこれには退職金は含まれていない。いまは65歳や70歳まで定年延長できるから、それも加えれば働く女性の生涯年収は2億5000万円から3億円になるだろう。仕事を辞めてしまえば、これがすべてなくなってしまうのだ。

橘玲『人生は攻略できる』(ポプラ新書)
橘玲『人生は攻略できる』(ポプラ新書)

このことの意味を、女の子は真剣に考えた方がいい。

でもこれは、女性だけの話ではない。

「女は結婚したら家に入るのが当然」と思っている男の子が、いまでもけっこういるらしい。もし君がそう考えているのなら、自分の将来を真剣に心配するべきだ。

君の親友が、「ぼくも子育てに協力するからいっしょに頑張ろうよ」と約束して結婚したとしよう。そうすると60歳のときには、1人で家計を支えてきた君は、共働きの親友に世帯収入で2億円もの差をつけられている。はっきりいってしまえば、親友はリッチで君はプアだ。

これからの時代は、「長く働く」「いっしょに働く」が、お金持ちになるためのキーワードなのだ。

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