妊娠しやすい日はいつか

まず、最初に行われるタイミング法からお話ししていきましょう。これは、排卵日を推定する方法です。

排卵日の推測にいろいろな方法があるのはすでに述べたとおりで、排卵日の推測は自分でもある程度は可能です。精度は高くないものの基礎体温からもある程度は読み取れますし、2本セット1300円くらいで手に入る市販の試薬、排卵検査薬を使えば、排卵の引き金となるLH(黄体化ホルモン)の増加をとらえることができます。LHが出始めてから36時間くらい経つと排卵となりますので、反応が出た日と翌日は妊娠しやすい日だということになります。

カレンダーの日付にマーク
写真=iStock.com/Photitos2016
※写真はイメージです

生殖補助医療の医師らが口をそろえて言う「妊娠への近道」

ただ、卵子と精子が出会えるセックスのタイミングはその2日間だけではありません。排卵した卵子が受精できる時間は約1日と短いですが、精子は3~5日も生きているからです。

その日数より短い間隔(つまり3~5日に1回以上)でセックスをしているカップルでは、いつ排卵があっても、精子が卵管で卵子を待っていることになります。そのようなカップルには、タイミング法は必要ではありません。20代で結婚していた時代の新婚夫婦にとっては、それくらいの頻度で性生活があるのはごく当たり前のことでした。

理想は、排卵日など気にする必要がないくらいで、普段から2人で天真爛漫に、活発に性を楽しむことです。それこそが妊娠への近道です。じつは、これは生殖補助医療の先端にいる医師たちがみんな口をそろえて言うことです。

決められた日にセックスを求められることは多少なりともストレスですから、夫婦関係がぎくしゃくしてしまうこともあります。「タイミングうつ」「タイミングED」などという言葉もあるくらいです。

しかし、現代の夫婦は性的アクティビティーが低くなりがちで、タイミング法を必要とする方は多いと思います。これもおそらくは晩婚化が進んだ影響でしょう。そもそも20代と40代の性的アクティビティーが同じであるわけはありません。回数が少なくなっているカップルは、できるだけ自然な性を大切にしながらも、タイミングを意識していくと妊娠は早まります。