高校野球の地殻変動

8月23日の甲子園の決勝戦、筆者は千葉県のある高校の教室でテレビ観戦をしていた。「Liga Agresiva」の千葉県でのイベントの取材だった。筆者の横には、慶應高・森林監督の盟友である立教大准教授、日本スポーツマンシップ協会の中村聡宏代表理事がいた。

「慶應高の躍進で、高校野球は変わるかもしれませんね」と中村氏は言った。

Liga Agresivaに参加している有力私学の監督は「森林先生のご活躍は、本当に刺激になります。“勝利至上主義”など、今の問題点を解決して、高校野球を変革するためにも、僕たちも慶應高に続きたいと思います」と力強く言った。

森林貴彦監督は、著書などで今の高校野球の問題点を鋭く指摘してきた。選手の自主性を奪い、健康さえも軽視する今の高校野球は変革の必要があると強く訴えてきた。

その森林監督が率いる慶應高の優勝は、単なる名門私学の復活ではなく、甲子園を頂点とする高校野球の地殻変動の始まりととらえるのが正しいのではないか。

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