「はたらく」と真剣に向き合ったほうがいい

ワーク・ライフ・バランスという言葉に代わって、ワーク・ライフ・インテグレーションという概念も提唱されているようです。

ワークとライフを統合して充実をはかるということだそうです。対立的に捉えない、ということでは幾らかはいいように思います。ただし、それ自体はかなり前から議論されていたことは先ほど確認しました。

なんとなくわかったようなカタカナ語で働き方を論じるよりも、ちょっと泥臭いけれど「はたらく喜び」や「やりがい」のような素朴な感覚の方が遥かに大切だと思います。

あまりにホワイトな職場に不安を感じて離れていった若者たちも、結局は「なぜ働くのか?」という疑問に突き当たったことがきっかけでしょう。

山本直人『聞いてはいけない スルーしていい職場言葉』(新潮新書)
山本直人『聞いてはいけない スルーしていい職場言葉』(新潮新書)

「先輩たちにはめぐまれたし、職場には何の不満もないんです」

「いい職場」の社員は、そう言って去っていきます。たしかに、それは事実でしょう。

しかし、「無理をしなくてもおカネは稼げる」という状況が、得体の知れない不安をかきたてていくことはよくあります。

さらに、「仕事がマシンに代替される」とか「人よりもAI(人工知能)の方が優れている」といった情報を聞けば、「ラクをしている」ことに対する焦燥感も高まります。

頑張りたい人が頑張れる環境づくりが大切だ

その一方で「バランス」自体が目的化してしまっている若い社員も増えています。「無理をしない」ことを「努力しなくてもいい」と思い込んでいる社員は、多くの場合ワーク・ライフ・バランスを自分の都合で解釈して目的にしているようです。

耳に心地よい言葉が、人々を迷路に入り込ませているのがいまの職場で起きていることです。その結果として、いろいろなポジションの人に、不満と不安がたまっているのです。

「無理に働かせない」制度をつくるために多くの企業が労力を費やしてきました。しかし、これからは頑張りたい人が働きやすい環境をつくり、積極的な挑戦を促し、働いた成果に十分に報いる仕組みが求められると思います。

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