世界トップレベルを誇る日本のインフラを輸出せよ

これからの日本が世界市場で生き抜く上での武器になるのではと私が考えているのが、日本の生活環境、社会システムの海外輸出です。

2000年以降、日本は非常に衛生的で快適な国になったと強く思います。私が小学生のころは、日本はまだまだ生活インフラについては後進国だったはずです。1968年に世界第2位のGDP大国にはなったものの、ショッピングモールなどもないし、駅のホームや飲食店内で煙草を吸う人も大勢いるし、街中で立ち小便をする人も少なくありませんでした。最近ジェンダーレストイレの導入が話題になっていますが、当時は男女共同便所も当たり前でした。

しかし、1980年代に入ってから大型スーパーが台頭し、2000年からはショッピングモールも増えていきました。

アメリカで1978年に公開された『ドーン・オブ・ザ・デッド(邦題:ゾンビ)』は、ショッピングモールでゾンビと戦う様子が描かれています。当然、映画内にはショッピングモールのシーンがいっぱい出てくるのですが、その様子を見ると、まさにいまのイオンモールのようです。

ショッピングモール
写真=iStock.com/IGphotography
※写真はイメージです

屋内にもかかわらずキレイな橋や噴水、子ども用のカートなどもあるし、お店の種類も豊富です。登場人物は銃の販売店から銃を奪ってゾンビを撃ち殺す。1978年の時点で、アメリカにはアイスクリーム屋から服屋までが回廊の両側に並ぶ大規模な商業施設が完成していたのです。

安全保障を節約しながらインフラを整備した

そこから20年遅れて日本にはショッピングモールが建設されます。でも、20年の遅れがあったにせよ、現在の日本ではアメリカのモールの清潔さを超えるインフラが生まれたと私は感じます。

先日、GDPで日本を抜いたと言われる台湾へ旅行に行きましたが、台北市の外に出ればトイレに使用した紙が流せず、使用したトイレットペーパーをゴミ箱に捨てるようなトイレがまだまだ主流でした。

日本も世界第2位の経済大国になってからインフラが整備されるまで、20年ほどの歳月を要しました。その間、日本は軍備にほとんどお金を使わないで済みました。なぜなら、80年代の後半からソ連崩壊などを経て東側諸国もいなくなり、目先の脅威が消えたからです。さらに、日米安保のおかげでアメリカの軍事力に乗っかり、軽武装で済んだため、安全保障に予算を振らずとも助かった。

結果、社会インフラの整備にこれらのお金を全部投じて、1945年から2000年までの55年間に、やっとここまでインフラを整備できたわけです。