2012年9月21日(金)

「英語がペラペラ」にならないと一生ヒラ社員か

PRESIDENT 2010年10月4日号

著者
溝上 憲文 みぞうえ・のりふみ
ジャーナリスト

溝上 憲文1958年鹿児島県生まれ。ジャーナリスト。明治大学政治経済学部政治学科卒。月刊誌、週刊誌記者などを経て、独立。新聞、雑誌などで経営、人事、雇用、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍。『非情の常時リストラ』(文春新書)で2013年度日本労働ペンクラブ賞受賞。主な著書に『隣りの成果主義』『超・学歴社会』『「いらない社員」はこう決まる』『「日本一の村」を超優良会社に変えた男』『マタニティハラスメント』『辞めたくても、辞められない!』『2016年 残業代がゼロになる』など。近著に『人事部はここを見ている!』(プレジデント社刊)がある。

執筆記事一覧

ジャーナリスト 溝上憲文=文 小原孝博=撮影
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日本人だけの会議でも英語を使う

「英語ができないと、会社にいられなくなる」(楽天勤務女性・後出)。英語はビジネスマンに必須とはいうものの、これまで多くのビジネスマンにとっては、あくまでプラスアルファとして求められる能力だった。しかし最近、耳にするようになったのが「社内の英語公用語化」。書類、会議が英語となるため、話せなければ仕事にならない。英語が苦手な人間にとっては、まさに悪夢のシナリオだ。

楽天 人事部
葛城 崇氏

一気に英語の社内公用語化にまで突き進んだのが楽天とファーストリテイリングだ。その理由を楽天の三木谷浩史会長兼社長は「楽天を世界一のインターネットサービス企業にするため」(「週刊東洋経済」2010年6月19日号)と語り、ファーストリテイリングの柳井正社長は「グローバル経営が進展し、今までのような『日本人だけ、日本語だけ』のコミュニケーションは限界にきている」(「朝日新聞」10年7月31日)と指摘する。

2人の言い分はもっともとしても、公用語化とは、社員全員が例外なく、会議はもちろん討議資料やメールに至るまで英語化するというもの。企業のグローバル化は必至だとしても、そこまで踏み込む企業は珍しい。日本の外資系企業ですら英語を使うのはせいぜい外国人が参加する経営会議や幹部クラスの会議まで。英語ができない社員も多く、現場の会議は日本語が飛び交っているのが一般的だ。

なぜ英語公用語化なのか。楽天人事部の葛城崇・英語化推進プロジェクトリーダーは「優秀な人材の獲得とリテンション」を第一の目的に掲げる。

「弊社では世界一のインターネット企業を目指すにあたり、ビジネスを積極的に海外展開する予定です。その際、日本人だけで完結するのは難しい。日本語が話せなくても優秀な外国籍の人を採用しリテンションしていかなければならない。しかし従来の日本語のオペレーションスタイルでは入社してもらえないし、働いてもらえる環境を整える意味で社内公用語を英語に切り替えることにした」

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