1学期に登校しぶりや不登校の兆候があった子が元気に2学期を迎えるために、夏休みにできることはあるのでしょうか。児童精神科医の齊藤万比古さんは「『そんなに学校で緊張しなくていい』『学校でいい子じゃなくていいよ』と伝えるために、子どもと話し合ってみることは価値のあることかもしれませんね」といいます――。

登校しぶりの子の夏休みはこう過ごす

確かに夏休み明けは不登校が多く、お子さんに登校しぶりや不登校の兆しがあったら、やはり親御さんは心配ですよね。では、どんな夏休みを過ごせばいいのか。

よくいわれるのが、まず「生活リズムを大きく崩さない」ことです。たとえば学校があるときに6時半に起きていたら、遅くとも7時には起きる。起きたら太陽を浴びるといったことです。

また「大きな宿題をあとに残さない」ことも大切です。夏休みの最後に宿題が残っていたら、2学期に学校に行く大きな抵抗になってしまいますから、そういうものをなるべく減らしておく。学童保育で宿題をすませられるなら、学童保育を利用するのもよいでしょう。

さらに夏休みは、親子で一緒にいる時間が増えますから、家族旅行をしたり、地域のイベントに参加したり、子どもがリラックスして、リフレッシュできる楽しい経験ができたらよいのではないでしょうか。夏休みがエネルギー補給の時間になれば、子どもは2学期に向けて動けることもあります。

父と母と娘が川で遊ぶ
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夏休み終盤になると「また緊張が待っているのか…」と構えてしまう

そもそも登校しぶりや不登校の子は、学校では緊張し無理をして過ごしています。夏休みという長い中断が起きると、無理をしていた子どもほど、リラックスしてほっとしている時間の向こうに、またあの緊張が待っているのか……と夏休みが終わりに近づくと表情が暗くなっていきます。

親は、わが子にそういう気配を感じたら、学校生活に不安を持っているサインととらえて、なぜ子どもにとって学校がそれほど緊張させる場所になっているかを改めて考えてほしいと思います。

子どもが学校生活に緊張しているというと、親は学校が子どもにどんな教育をしているのか、先生や友だちとはどんな関係なのか、と学校に目がいきがちです。もちろんそれも重要ですが、同じぐらい重要なのは家庭です。親が子どもとどう接しているか。子どもに何か強いていないか、親自身の関わりにも、その要因がないかを考えてみてほしいのです。