老化につながる「AGE蓄積」を防ぐ

前回(第3回)、ヨーグルトは完全食に近く、キウイヨーグルトであれば「パーフェクトな一品」と記した。同様に完全食に近いのが「納豆」で、栄養価は非常に高い。原材料の大豆は五大栄養素(タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル)のすべてを備え、体内で生成されない9種類の必須アミノ酸も含む。さらに食物繊維が豊富で、発酵食品でもある。

納豆
写真=iStock.com/yankane
※写真はイメージです

今回は、納豆の日(7月10日)にあわせて、納豆の具体的なメリットを解説しつつ、納豆を完全食に高めるポイントを紹介する。さらに「意外な落とし穴」についても深掘りしていく――。

健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子氏
健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子氏

この連載では、第1回の「干物」から、老化を促進する悪玉物質「AGE」の危険性についてたびたび指摘している。AGEは、タンパク質と糖がくっついて劣化する現象(糖化)が進むことで発生する。高温加熱調理によって食品中でも起きるし、体内で血糖値が急上昇して糖化が進むことでも発生して蓄積される。そうしてAGEがたまると、シミやシワなどの老け顔、動脈硬化、変形性関節症の発症など、さまざまな機能障害が起きる。

納豆にはこのAGE蓄積を防ぐ成分が含まれている。健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子氏がこう説明する。

「大豆に含まれる大豆イソフラボン、食物繊維、ビタミンB1、大豆レシチン(タンパク質)は、いずれも糖化を防ぐ働きがあります。抗糖化作用に加えて大豆イソフラボンはポリフェノールの一種であり、高い抗酸化作用があります」

細胞や脳を若く保つ「大豆レシチン」

大豆レシチンも、細胞や脳を若く保つ働きがある。日本ポリフェノール学会理事長の板倉弘重医師(東京アスボクリニック名誉理事長)がある研究を示しつつ、教えてくれた。

日本ポリフェノール学会理事長の板倉弘重医師(東京アスボクリニック名誉理事長)
日本ポリフェノール学会理事長の板倉弘重医師(東京アスボクリニック名誉理事長)

「コリンという脳を若く保つ栄養素があります。2019年に発表された大規模研究ではコリンの摂取が多いほど、記憶機能のパフォーマンスが向上することが報告されています。最もコリンが多く含まれるのは卵で、次に大豆、そして鮭、納豆の順に多く含まれます。また、コリンに脂肪酸が結合するとレシチンという成分になるのです。レシチンには大豆レシチンと卵黄レシチンの2種類があり、納豆には大豆レシチンが含まれています。レシチンを十分に取ると、集中力、記憶力、思考力がよくなることがわかっています」

納豆に含まれる食物繊維も糖質の吸収を抑え、血糖値急上昇を抑える面から糖化を防ぐ。食物繊維が豊富な食品というだけなら、ごぼうや押し麦など他の食材でもいろいろあるが、納豆の場合、ここに記したようなそれ以外の栄養素が充実しているのが特徴だ。

さらに納豆は「健康的なダイエット」にも効果を発揮する。