25歳の女性は、群馬の短大を卒業後に業務用化粧品の製造販売会社の契約社員になるが、3年で雇い止めに。再就職を志すも上手くいかず、うつ病になった。今はパチンコ屋のアルバイトで月収11万円の貧乏生活を続けるが、「これ以上のブランクを作るのはまずい」という。ライターの増田明利さんが書いた『お金がありません 17人のリアル貧困生活』(彩図社)より紹介しよう――。

※本稿は、増田明利『お金がありません 17人のリアル貧困生活』(彩図社)の一部を再編集したものです。

牛すき焼き
写真=iStock.com/petesphotography
※写真はイメージです

群馬の短大卒業後、契約社員になるが3年で雇い止め

秋本智美(仮名・25歳)
出身地:群馬県沼田市 現住所:東京都墨田区 最終学歴:短大卒
職業:パチンコ景品交換所窓口業務 雇用形態:アルバイト
収入:時給1100円、月収は11万円ほど 住居形態:賃貸アパート 家賃:5万円
家族構成:独身 郷里の両親は健在、他に弟 支持政党:特になし
最近の大きな出費:デッキシューズ購入(1280円)

仕事場に向かうためアパートを出るのは夕方5時過ぎ。1月上旬なのでこの時刻ではすっかり日が暮れているが、この暗さが気分的には落ち着く。仕事場は駅近くの雑居ビルの1階にあるパチンコ屋の景品交換所。ここで店番をしているのだ。

「地元(群馬県)の短大を卒業して就職したのがこちらの会社なんです」

新卒で入社したのは業務用化粧品の製造販売会社。理髪店や美容院で使用するシャンプー、リンス、コールドパーマ液、ヘアカラー、その他の用具を取り扱っている中堅どころの会社だった。

「だけど正社員での採用ではなく契約社員での入社です。将来的には正規雇用に転換するからと言われていたのですが、3年ちょっとで雇い止めになりました」

理由は業績の悪化。正社員のリストラもあったから契約社員の身では抵抗しようがなかった。

「おざなりの送別会があって追い出されました」

会社都合の退職なので失業手当は7日の待機で支給対象になった。ところが再就職はまったくの不調だった。

「ハローワーク経由で応募しても半分以上が書類選考でハネられました。面接まで進めたのは4社あったのですが最終的にはすべてお断りでした。お祈りメールをもらいすぎて嫌になりましたね」