脳の「トランスファーエフェクト」がカギを握る

処理速度が速くなったり、作業領域が大きくなったりすると、「計算や記憶が得意な脳」になります。つまり、学校の勉強が得意な子になれるわけです。

いまのような「先の見えない時代」は、計算の速さや記憶力だけでは戦えません。どんな世の中になっても生き抜いていくためには、単に勉強ができるだけでは不十分であり、問題解決能力や高いコミュニケーション能力、創造力なども必須です。

でも安心してください。実は、情報処理能力をより速くするようなトレーニングをすると、驚いたことに、計算や記憶とは直接関係のない様々な能力も高まることが、最新の脳研究で確認されているのです。

これを、「転移の効果(トランスファーエフェクト)」といいます。

具体的には、例えばひとケタの数字を用いた計算を全力で早く解いたり、音読をしたり、単純な記号を暗記するといったことを続けると、計算力や暗記力が向上するだけでなく、創造力や理論的思考力、注意力や感情抑制能力までもが高まる……という不思議な現象が起こるのです。

散乱した数字でガラスを拡大
写真=iStock.com/patpitchaya
※写真はイメージです

数字や文字にたくさん触れさせよう

情報処理や記憶力は、脳の前頭前野が担っています。そして、人間らしい高次のそのほかの能力についても、その働きは前頭前野が司っているのです。ということはつまり、前頭前野自体の性能を高めると、前頭前野が持つすべての能力が底上げされる可能性が高い――ということです。

昨今では、「パソコンやスマホがあるのだから、計算能力や記憶力なんて必要ない」といった声もよく耳にするようになりました。

しかし、脳の特性を知れば、情報処理や記憶力を高める「学習」こそ、人間らしい能力を開花させるスイッチになると、おわかりいただけると思います。

子どもの頭をよくするためには、数字や文字にたくさん触れること。これが、とにかく「基本」なのです。

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