認知症患者の脳機能まで高める「学習療法」

「単純なひとケタの計算や音読を素早く行うことが脳機能を高める」という発見をもとに、私は認知症患者のための非薬物療法「学習療法」を開発してきました。

効果は目覚ましいものがありました。とくに学習療法は、認知症の進行を遅らせるだけでなく、認知機能を向上させることも判明したのです。薬を上回る効果がある方法として注目され、現在では世界中で広がりを見せるまでになっています。

認知症患者の脳の機能さえも向上させる「学習」の威力を、健康な子どもの脳発達に応用したらどんな効果があるのかは想像に難くありません。

幼少・学童期は「読み書き計算」中心で間違いない

そのため、私は脳科学の専門家として、幼少・学童期の子どもたちが「読み書き計算」を中心とした学習習慣を身につけることを推奨しています。

何らかの作業を素早く行うことは情報処理速度を向上させ、効果的に脳を活性化させます。そのため、子どもたちにとっては「読み書き計算を素早く行う」といった学習習慣は、脳を鍛えるツールとして使いやすいうえ、同時に学力アップにもつながる、まさに一石二鳥のコンテンツといえるからです。

実際に、家庭学習の習慣がある子どもと、ない子どもの脳画像を比べると、家庭で学習している子どものほうが、脳の体積が優位に増加することが確認できます。学習習慣のあるなしによって、脳の構造自体に違いが生じるということです。