子どもに社会のルールやマナーを教えるにはどうしたらいいか。現役の特別支援学校の教員である平熱さんは、「いいところをほめて伸ばし、全体の行動のうち“正しい行動”の割合を増やすことが大切だ」という――。

※本稿は、平熱『特別支援教育が教えてくれた 発達が気になる子の育て方』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

先生と男子生徒
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子どもを「ほめる」目的

みなさん、お子さんをほめてます?

悪いところばかりに目がいって「ほめるところがない!」なんて四六時中怒ってばかりじゃないですか? そんな悪党は月に代わっておしおきです。

今回は「ほめる」について考えていきます。

そもそも人を「ほめる」目的ってなんでしょう?

わかるよ、わかる。そんなに計算高く人のことをほめてないんでしょ? そんなにあざとく生きてないですよね? はい、わかってます。でも、大事な話なので、とりあえずいったん聞いてください。

「ほめる」の目的は、言ってしまえばこの2つです。

①ほめられた人が「うれしい気持ちになる」こと
②ほめた行動を「強める」こと

とくに保護者や先生たちが子どもをほめることに目的があるとすれば、この考え方はきっと遠くありません(いやらしい解釈だけど許してね)。

というわけで、「ほめる」の目的を「①うれしい気持ちになってもらう②ほめた行動を強める」の2つだとしたうえで、それぞれ解説していきますね。