「見取り図」をもとに「部品」を作っていく

② 文章を書くとき、何から書いたらいいかわからない

先に見取り図を作り、まずは個々の「部品」を完成させてから、それらを組み合わせて完成形を作るという工業的な手法を採用してみましょう。こうすれば初心者でも長い文章を書くことができます。具体的な手順は以下の通りです。

一.書きたい内容を、ある程度まで詳細に箇条書きします。この個々の箇条書きが「部品」に相当します。
二.箇条書きした各項目(「部品」)を並べなおして、完成形のおおまかなイメージを作ります。
三.各項目の文字数を決定します。自分が難なく書ける長さまで、個々の「部品」を細分化してください。
四.項目ごとに文字数を埋め、短い作文をたくさん作ります。「部品」をひとつひとつ完成させるイメージです。
五.それらをつなげれば長い文章が完成します。

箇条書きを並べなおす段階(「二.」)では、読者を最後まで惹きつけるにはどうするか、どこで話を盛り上げるかをじっくり考えてほしい……。と、言いたいところですが、文章を書き馴れていない人が、センスのいい構成を考えることは難しいはずです。ここは無理をせず、優先順位の高い情報から順に並べましょう。これでとりあえず大丈夫です。

輝いて浮かんでいるキューブが手のひらの上にある
写真=iStock.com/gremlin
※写真はイメージです

箇条書きした各項目の文字数は、自分が難なく書ける長さにします。たとえばTwitterの文字数の140字、もしくは約2倍の300字くらいならば書ける人が多いでしょう。仮にひとつの話題についての内容でも、客観的な事実と自分の主観的な見解は明確に分けます。それぞれ別の「部品」に分けてもいいでしょう。

書くのが遅い人はどうすればいいか

③ 長文を書こうとすると、手が止まってしまう

上記の「見取り図」を数段重ねで作成します。

一.書きたい内容を非常に大まかに箇条書きして、それを順番に並べます(章)。
二.章のそれぞれの内部において、書くべき内容を再び箇条書きして、それを並べ直します(節)。
三.節のそれぞれの内部で、書きたい内容を箇条書きにして並べ直します。

……といった作業を繰り返し、自分が難なく書ける長さまで、各項目の文章の分量を縮めます。あとは、こうして細分化した「部品」をひとつひとつ完成させ、最後にそれらを組み合わせるだけです。たとえ20万字の長文でも、この手法を使えば理論上は必ず完成させることが可能になります(途中で投げ出さない限り)。

④文章を書くのがとにかく遅い

事前の「見取り図」の作成作業を念入りにおこないます。準備なしにいきなり書きはじめるよりも、結果的に所要時間が短くなるはずです。

また、スマホの音声入力機能を使う、ネットで雛形にできそうな文例を探す、自分が書きたい内容をChatGPTに打ち込んで叩き台となる文章を作成させるなどして文字入力のハードルを下げることも、ビジネス目的の文書作成であれば、立派な手段のひとつです。