個性が必要なのは「文体」ではなく「内容」

⑩オリジナリティのある文章を書くには

オリジナリティのある文章は、大きく2種類に分かれます。すなわち、文体が個性的な文章と、内容が個性的な文章です。

『プレジデント』(2023年4月14日号)
『プレジデント』(2023年4月14日号)

前者については、極論、語尾をすべて「ぽんぽこ」にするだけでもかなり個性的な文体が出来上がります。しかし、それが読者から好まれるかは別問題ぽんぽこ。相当なセンスが無いと、文体だけで人を惹きつけることはできないぽんぽこ。プロでも無理だぽんぽこ。(←どうでしょうか? オリジナリティはあるものの非常に見苦しいでしょう)。

「伝わる文章」を書くうえで、読者が見慣れない個性的な文体はスムーズな情報伝達を阻害する要因になりがちです。よほどセンスのある人以外は、言葉づかいで自分の個性を表現しようとは考えないほうがいいでしょう。

いい文章を成立させる必要条件は、文体や言葉選びのテクニックではなく、書かれている情報そのものです。文体はまともで中身が個性的な「伝わる文章」を目指したいところです。

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