頑張れば必ずしも望んだ結果がついてくるとは限らない

Aさんにとってこの転職はキャリアのステップアップでした。自分が新しい会社でもちゃんと結果を出せるという期待を持つことはいいことです。そのために頑張ることも素晴らしいことです。しかし、頑張ったから必ずしも望んだ結果がついてくるわけではないことも、大人ですから知らなければいけません。

人事担当者に後で聞いたのですが、彼女の上司の“普通”という評価は、決してネガティブなものではありませんでした。むしろ、Aさんは新しい環境でよく周囲と同じ程度の結果を出せていると、評価されていたとのことです。

Aさんは、職場の人間関係や業務評価などには何らストレスになるものがないようでしたが、自分への期待が高すぎるために、ストレスを生じさせてしまいさらに自分で自分を追い詰めて不調になってしまったと思われました。

4月にやっておくべき五月病対策

では、五月病にならないためには、どのような点に注意すればいいのでしょうか。ここに、産業医の処方箋を紹介させていただきます。

まず、4月の過ごし方で注意していただきたいことが2つあります。

1つめは、4月はストイックに仕事一本の生活をするのではなく、何でも話せる気心許せる人たちとの交流(飲み会や遊び)を保つことです。

イタリア料理と赤ワインで乾杯
写真=iStock.com/kuppa_rock
※写真はイメージです

2つめは、自分に高い期待値を持つことは大切ですが、時にはその期待も柔軟に変えることも大切です。思ったほどの成果が出ていないとき、それを打ち消すために頑張ってしまうのは、その期待値が、“高すぎる”可能性もあるのです。その時は、ゴール設定を下げるべきかもしれません。