使用禁止はかえってスマホへの執着を高める

スマートフォンは現代においてストレス解消の道具です。大人にとっても恋人のようなもの。家が火事になった場合、たった1つの物しか持ち出せないとしたら、何を持って出ますかという質問に、今ではあらゆる年齢の驚くべき数の人がスマートフォンと答えます。ティーンエージャーの脳では、自分のスマートフォンを見るだけで、喜びと充足感の神経伝達物質が噴出することを知っていますか?

スマートフォンの使用禁止や取り上げるという脅しは、子どもの警戒心を強めるだけでなく、元気を取り戻すためにスマートフォンを使って友だちと連絡を取りたいという気持ちを増大させる危険があります。スマートフォンは、すでに誰かとつながっている、グループに所属している、という快感の源泉になっていて、彼らの避難所でもあるのです。そのため、禁止することで、かえってさらに大事なものと思わせるのは得策ではありません。

ヒント
メールやSNSはこの年齢の強い社会適合性の衝動に応えるものです。10代の子どもは、友だちと過剰なまでに連絡を取り合っていますが、その世界に入れないため、親はいらだちを募らせます。

使用を制限するときは「家族全員」

家族で話し合うために、頭や身体のSAR(比吸収率:生体組織が吸収する電波のエネルギー量)や、電磁波による害、ブルーライトや放射熱の害、スマートフォンをポケットに入れている時の生殖器官への危険な影響についてなど、インターネットで情報を探すように促してみてください。使い方の条件を決め、親も含めて家族全員が守れるようなルールを練りましょう。

もしわが子が友だちからも孤立するほどスマートフォンに熱中するようなら、子どもの脳内報酬システムのオピオイド(喜びと報酬の回路の受容体に結合する物質)が減少して、自分で節度を保って使えるようになるまで、家族全員でインターネットの利用を制限するのもいいでしょう。ただし本人も私たち親も、それが罰ではなくて、一緒に決めた「禁断症状の治療」だということをはっきりさせること。そして私たち親は、子どもに対峙たいじするのではなく、寄り添いましょう。

子どもを落ち着かせ、快適さと充足感をもたらすスマートフォンから離れたいと思わせるには、よほどのモチベーションが必要です。スマートフォンをやめればもっと良い成績が取れるというのでは、決してその気になりません。子どもにとって未来図を設計することは、あまりに抽象的なのです。

ですから、子どもの好きなものから取りかかりましょう。好きなスマホゲームが中世を舞台にしている? それなら中世の城を観光客として訪れるだけでなく、それに関する夏期セミナーなども受講してみるのはどうでしょう?

鍵となるのは、愛着と探検です。一にも二にも親子の絆、そして自分の内面の力が成長したと、子どもが実感できるような体験をすることです。

また、互いにチャレンジすることもできます。「あなたがスマートフォンを使う時間を減らすのなら、ママやパパもメールにすぐ返信するのを止める/チョコレートを控える/タバコを止める/あなたのために時間を使うようにする」……など。