スマホをついつい見続けてしまうのは、スマホを見ていると脳が“スマホを見るモード”になっているからなんですね。

言葉を換えれば、行動を先に起こして脳をだますことによって、やる気というのはどんどん生まれてくるとも言えます。

そういう気持ちにならないから動けないのではなく、動いていないから「やろう!」という気持ちにならないのです。

やる気のエンジンである淡蒼球について、もう少し詳しく説明しておきましょう。脳の中には大脳基底核という場所があります。

「淡蒼球」はその中にあり、意思決定などに関わると考えられています。

図書館やカフェに移動して勉強することの効果

先ほど、無理にでも体を動かすと「エンジンがかかってるな、ガソリン(やる気)をどんどん送らなきゃ」と書きました。

まさにやる気は、この淡蒼球から「モチベーション上がれ〜」という信号が送られることで促進されます。

興味深いことに、この淡蒼球が自分の意思で「信号出ろ〜!」「出てください〜!」と命令やお願いをしても、信号が出ることはありません。

脳科学の研究で著名な東京大学の池谷裕二教授によれば、淡蒼球を動かすには、

①体を動かす
②いつもと違うことをする
③ご褒美を与える
④なりきる

この4つのアクションが重要だそうです。

たとえば、勉強の例で考えてみましょう。

①「体を動かす」は教科書を開いたり、ノートに書いたりしてみることです。本能に打ち勝つために「5秒」だけがんばって、とにかく向き合う状態をつくってみる。

②「いつもと違うことをする」は、自宅ではなく図書館やカフェに移動してみたり、音楽を聴きながら勉強してみたり、いつもとは違う順番で勉強してみたりする。

③「ご褒美を与える」は、「勉強が終わったら、動画コンテンツを見る」「テストが終わったら友人と買い物に出かける」とご褒美や特典を設定してみること。

④「なりきる」は、「自分はガリ勉!」と思い込む、という具合です。

まとめると、「やる気」を起こさせるには「体から情報を脳に送り、動力を生むエネルギーを送り出す淡蒼球を反応させる」。これに尽きます。

この2つの働きによって、電動自転車のアシストよろしく、どんどん「やる気」の推進力は生まれます。