「危険な火山は数え切れないほどあるが、私が個人的に特に危いと思うのは、ニュージーランド北部沖のホワイト島(ファカアリ)だ」と、マクガービーは言う。「島そのものが活火山の頂上の噴火口であり、とてもアクセスしやすい。2019年12月9日に突然、噴火した際は島にいた観光客など約20人が死亡し、重傷者も出た」

ここでは火口内の物質が本質的に不安定で、突然の水蒸気爆発や噴火、その両方が同時に起きる危険性がある。マクガービーはプライベートで訪れようとは思わないと言う。

アイスランドのヘクラ火山も、マクガービーが訪れたくない場所だ。「人命を危険にさらすような噴火が定期的に起きるわけではないから、多くの人は危険だと思わないだろう。私は火山の頂上に登るのが好きだが、ヘクラには行かない。噴火の兆候がほとんど見られないといわれているからだ。前兆からわずか25分で噴火するときもある」

ほかにも「危険な」火山は、十分に監視する資源がない国で、約30年の間に2、3回噴火した記録があるところだ。噴火につながるかもしれない震動の兆候を見逃して、明らかな前兆が分からないままに噴火が始まるときもある。

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら
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