競争が関係するような行事に参加させない

ものみの塔による子ども虐待といえば、子どもの躾に「ムチ」を使用していることなど、あまり知られていないだろう。「ゴムホース」や「ベルト」などで、子どものお尻を打つのである。家の外に聞こえないように、多くは風呂場やトイレの中で行われているという。

いのうえせつこ著、山口広監修『新宗教の現在地』(花伝社)
いのうえせつこ著、山口広監修『新宗教の現在地』(花伝社)

また、教育についても、ものみの塔では、義務教育をはじめ、子どもが一般的な教育を受けることを軽視する傾向がある。誕生会、クリスマス、七夕、ひなまつり、節分、正月、祭り、国歌・校歌斉唱、クラス委員を決める選挙、格闘技など、「競争」が関係するような行事に、子どもを参加させないことがあるという。

2世の子どもたちは、親に従わない場合には体罰を受けるため、あるいはハルマゲドンで滅ぼされるという恐怖を植え付けられているため、教義を忠実に守らざるを得ない。親の信仰に忠実に従うことに納得できない2世の子どもたちは、精神的葛藤に苦しみつづけ、精神のバランスをこわして成人しても苦しみつづける例が少なくない。

いしいさや著『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』(2017年、講談社)は、ものみの塔の信者の家に育つ子どもの日常描いている。私が取材した脱会者の主婦の方は、この著書について「本当にこの通りです」と言っていた。

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