露骨な税金対策には当局も目を光らせる

ただし、このタワーマンション節税には、落とし穴がある。

相続税の評価額を「固定資産税の評価額」で決めるというのは、便宜上そうされているだけであって、原則としては時価で換算されることになっているからだ。

だから、固定資産税を基準にして申告していても、税務署に時価で換算されて修正される恐れがあるのだ。

そして、税務当局はタワーマンション節税をけっして快く思っておらず、明らかな相続税の節税目的のタワーマンション購入に対しては、追徴税を課したこともある。

とある資産家が、相続税対策のためにタワーマンションを購入し、その資産家が死亡した途端に、遺族がマンションを売却したので「明らかに相続税逃れである」とし、慣例となっていた「路線価による価格評価」ではなく、本来の「時価評価」で、相続資産の算定をし直したのだ。

しかも最近になって税務当局は、タワーマンション節税に対してさらに厳しく対処するようになった。

2017年度から、固定資産税の評価額が改正されたのである。20階以上のマンションの高層階に対しては、階を上がるごとに高くなるように設定されている。最大で1階と最上階の差は、10数%程度だ。

ところが、この固定資産税の改正は、かえって「タワーマンション節税」を後押しすることになるかもしれない。

なぜなら、高層階と低層階の価格の違いは、わずか10数%では済まない。マンションによっては、2倍以上の価格差が生じる場合もある。50階建てマンションの50階と1階を比較して、価格差が10%などということはあり得ない。

したがって、新しい固定資産税を適用されたとしても、節税策としてはまだ十分にメリットがあるからだ。

大村大次郎『改訂版 税金を払わずに生きてゆく逃税術』(悟空出版)
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そして、この新しい課税方法が適用されるのは、2017年4月以降に販売されたマンションである。それ以前に販売された物件には、以前のままの固定資産税が適用されている。

ということは、中古のタワーマンションならば、以前とまったく同じように節税策として使えるのである。

もちろん、あくまでも原則は「時価換算」であり、先ほど例にあげたようなことも発生しているので、相続税対策に使うにはノーリスクというわけにはいかない。しかし、覚えておいて損はないはずだ。

※税率および数字は、本書刊行時(2021年9月)のものです。

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