ブラックリストに登録されると厳しい制約が…

人的保証にせよ機関保証にせよ、返済が滞ると年率3%の延滞金が上乗せされ、3カ月連続で滞ると個人信用情報機関に個人情報や滞納履歴などが登録されます。いわゆるブラックリストです。

一度登録されると、完済した後も5年間は継続して登録されますので、クレジットカードを作れないとか住宅ローンが組めないなどの影響が及ぶ恐れがあります。機関保証利用者が代位弁済を受けた場合、その情報も登録され、滞納よりもさらに厳しい制約が待ち受けます。

機関保証が導入された2004年度は人的保証が90.9%でしたが、2019年4月時点では、人的保証が43.7%、機関保証が56.3%と逆転しています(※3)。いずれを選ぶにせよ、延滞によるペナルティーは重く、その後の人生に及ぼす影響は甚大です。

※3 独立行政法人日本学生支援機構奨学金事業における保証制度の在り方に関する有識者会議「独立行政法人日本学生支援機構奨学金事業における保証制度の在り方について(中間報告まとめ)」2020年5月8日

「税率固定方式」と「利率見直し方式」どちらがお得か

卒業後の返済総額を左右するのが利率です。利率の選択を行うのは第二種(有利子)を利用する人のみで、「利率固定方式」と「利率見直し方式」があります。前者は返済期間を通して同じ利率が適用になり、後者は5年ごとに見直されます。いずれの方式でも上限利率は3%と決まっています。

学生ローンのイメージ
写真=iStock.com/Khongtham
※写真はイメージです

実際の利率が決まるのは貸与終了時点ですが、2021年3月に貸与が終了した人の場合、利率固定方式だと0.268%、利率見直し方式だと0.004%と、2ケタ分の差があります。

利率固定方式を選択すると、貸与が終わった時点で総返済額が確定しますので、返済計画が立てやすいといえます。今後、利率が上昇していきそうだと思うなら利率固定方式を選択しておくほうが安心です。一方、低金利が続くと予測するなら、利率見直し方式のほうがお得となります。貸与期間が終了する年度の一定期限までは変更できますので、そこで選び直すことも可能です。

とはいえ、返済期間が最長で20年におよぶとなれば、将来の予測は不可能です。JASSOのHPに「大学・返還例」として、貸与額と利率に応じた月々の返済額と年数が示されています。利率は0.5%・1%・2%・3%の4パターンで例示されていますので、利率方式の選択に際して参考にするとよいかもしれません。