「女性性」に傷ついている人は幸せそうな女性に嫉妬する

女子ボスは、「女性性」に傷つきを持った人がとても多くいます。さまざまな理由が考えられますが、過去に持った傷つきが原因で、自分自身の「女性性」を喜んで受け入れられていないように感じます。

誰であろうと、「性」の問題は、私たちが一生向き合っていかなければならない課題の1つです。

社会的なことで言えば、日本では長年にわたって男性優位の文化が続きました。

そんな古い価値観や文化の中で生きてきた女性たちの中には、女性活躍が推進される今、社会から間違った価値観を押し付けられ、「女性性」が傷ついている人も多いと思います。

特に、「女性らしさ」や「年齢」などにまつわる価値観です。また、「結婚や出産」についても、まだまだ古い価値観を持っている親世代が多いため、親からも間違った古い価値観を押し付けられてきた女性も多いようです。

多くの女性が社会から間違った価値観を押し付けられ、女性性が傷ついています。また、母親とのわだかまりを心に抱えている女性も多くいます。

そのために、自分自身の女性性を喜んで受け入れることが難しくなっています。

そうすると、女性であることを受け入れ楽しんでいる女性や、幸せそうに見える女性たちとは、良好な人間関係が築けません。

そして、男性との関係にも暗い影を落とします。

社会から押し付けられた古い価値観、また母親や、男性との関係などで「女性性」が傷つき、多くの女子ボスは、女性性を癒すことができていません。

そうしたことから、幸せそうに見える女子に拒絶反応を示し、特に風当たりが強くなってしまうのです。

常に他者と比べて生きているから嫉妬心が強い

女子ボスは常に「他者と比べて、私はどうなの?」ということや、存在として認められるのかどうかが気になっていますから、深刻な劣等感を抱え、本当は自分に自信がない人だとお伝えしてきました。

劣等感を抱え、自信を持てないということは、「私は、どんな自分であってもいいんだ」という自己を肯定する気持ちが低いということです。たとえ愚かであってもそうでなくても、自分は受け入れてもらえるんだと思えていないわけです。そうすると、他者と自分をいつも比較しなければならないため、相手に対して非常に嫉妬心を抱きやすい傾向にあります。

川村佳子『「女子ボス」のトリセツ』(フォレスト出版)
川村佳子『「女子ボス」のトリセツ』(フォレスト出版)

嫉妬心については、拙著『嫉妬のお作法』(フォレスト出版)で詳しく解説しましたが、うまく付き合うことができなければ、とても苦しい感情です。

こうしたネガティブな感情は、自分で抱えきれなくなると、他者へ向かっていきます。

嫉妬心が他者へ向かうと、嫌がらせやいじめを生み、それが集団化すれば暴力にも発展します。

嫉妬心を抱いた相手をターゲットに選び、自分に従う子分や手下といったグループを率いて、いじめや嫌がらせをするといったことも見受けられます。

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