時代の空気を正確に捉え、先の先を予測するにはどうすればいいのか。投資家の藤野英人さんは「ユーミンは深夜のファミレスでいろいろな人の会話を無作為に聞き、それをメモしていたそうだ。それと同じ理由で、私もファミレスで交わされる会話をチェックすることがある」という――。

※本稿は、藤野英人『プロ投資家の先の先を読む思考法』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

ぼやけたレストランの店内
写真=iStock.com/Chainarong Prasertthai
※写真はイメージです

「起きたイベントに対してどのような感情が起きうるのか」

私がしているトレーニングの一つは、Twitterでフォローしている3万人ほどの人たちのツイートを読むことです。

自分でTwitterに投稿することをやめてずいぶん経つのですが、1日か2日に一度ほどはTwitterを開き、5分か10分ほど、高速で流れていくツイートを拾い読みするのです。

藤野英人『プロ投資家の先の先を読む思考法』(クロスメディア・パブリッシング)
藤野英人『プロ投資家の先の先を読む思考法』(クロスメディア・パブリッシング)

フォローしている3万人は、なるべくランダムに選びました。自分と趣味が似ているとか思想が近いといったこととはまったく無関係に、どちらかといえば年齢や性別、学歴、居住地域などができるだけ多様になるようにフォローしています。

フォローしている3万人のプロフィールをすべて覚えているわけではありませんが、10年近くTwitterを眺めているのでフォローしている人たちのことはなんとなく頭に入っています。

ですからTwitterを通して、さまざまに異なる属性を持つ人たちが日々どんなことをつぶやいているのかを定点観測しているわけです。

とくに世の中で大きなイベントがあったときは、多くの人が同じイベントについてつぶやきますから、「起きたイベントに対してどのような感情が起きうるのか」を知るためのサンプリングとしてツイートに注目します。