多くの中国ネットユーザーは安倍元首相の死を喜んだ

中国の反応はインドとは鮮やかなコントラストを成す。

「多くの中国ネットユーザーが喜び、オピニオンリーダーが外部勢力に利用されないよう注意を促し、一部の人々が安倍晋三元首相の政治的功績を肯定的に評価するなど、すべては中国の複雑な世論の一部であり、世界が中国の複雑さをより理解するための窓を提供するものである」

中国共産党機関紙、人民日報傘下の国際紙、環球時報(英語版)は「日中間の100年にわたる確執から中国のネットユーザーが安倍元首相の死について深い悲しみを感じることを期待するのは無理だ。インドのように一日中、国を挙げて喪に服すことを発表したり、米国のように半旗で『悲しみ』を表現したりするのを中国に求めてもどうしようもない」と記す。

「20世紀前半に中国人が日本の侵略者に殺され、いじめられ、弾圧されたという悲痛な歴史や、米国に追随して中国を封じ込め、第2次大戦中の日本の残虐行為と軍国主義を象徴する悪名高きA級戦犯をまつる靖国神社を頻繁に訪れる安倍元首相の態度に対する自然で率直な反応だ。台湾問題に干渉したのは絶対に許せない。中国国民も許せない」というのである。

安倍元首相は第1次政権発足直後の2006年、最初の外遊先として中国を電撃訪問し、政治的相互信頼を強化する「戦略的互恵関係」を提唱。14年と18年にも訪中した。環球時報は別の記事で「中国国民にとって安倍元首相は物議を醸す政治家だった。日本の対中関係をある程度改善したが、その発言や行動には賛否両論があった」と指摘した。

また「もし将来、日本が憲法を改正すれば、平和主義憲法の制約を取り払い、海外での戦争に参加し、攻撃的な北大西洋条約機構(NATO)に加盟して、軍事大国の道を目指すことになる。日本、アジア太平洋地域、さらには世界にとって非常に有害だと中国の日本ウオッチャーは警告を発している」との危惧を示した。

台湾総統は「台日関係への貢献に感謝」

台湾の蔡英文総統は日本台湾交流協会台北事務所を弔問に訪れ、「安倍元首相は台湾の永遠の良き友人」と遺影に献花した。「安倍元首相がかつてピアノで弾いた東日本大震災の復興支援曲『花は咲く』が、困難に立ち向かい、支え合って生きていこうとする気持ちを描いているように、台湾と日本も努力を続け、もっと多くの花を咲かせていきたい」とツイートした。

安倍元首相は台湾訪問を承諾したばかりだったという。蔡総統は「これらは安倍元首相と台湾の交流がどれほど密接だったかを示している。突然の悲報にみんなが悲しみ、惜しんでいる。安倍元首相の台日関係への貢献に感謝し、台湾と日本は今後も手を取り合って協力し、自由で開かれたインド太平洋地域をともに築いていく」と強調した。