ブランドの価値を高めるためにやっていること

最近、さまざまな商品の価格改定が相次ぐ。「アサヒ飲料10月から値上げへ」と各メディアが報じたのは5月25日のこと。10月1日出荷分から、ウィルキンソンを含む清涼飲料の希望小売価格を約4~16%引き上げる。ブランドとしてどう思うのだろうか。

「まず、ご負担をおかけするのは申し訳なく思います。消費者の好みは多様化していて、『安いほうがよい』という方も、『ウィルキンソンだから少し高くても買う』という方もおられます。とはいえ消費財ですから、価格にシビアなのは理解できます。ブランドとしては、ファンの方との絆を深めて、炭酸水の持つ商品価値をより一層訴求したいと考えています」

【図表1】ウィルキンソンブランド 販売数量推移
アサヒ飲料提供データにより作成

ウィルキンソンは「男性約6割、女性約4割」「コアターゲットは30代と40代の男女で20代も多い」という特徴があり、若者から高齢者まで顧客層の幅を広げてきた。

最近は強炭酸ブームだが、「ウィルキンソンはお客さまが飲む際の炭酸の強さを重視し、生産工場でもガス圧、濾過を重ねた水、水の硬度管理などを徹底的に行っています。日本の炭酸水市場をゼロから開拓してきたウィルキンソンが健康的で刺激的な炭酸水を提供することで、お客さまがカラダもココロもポジティブな毎日を過ごせる、そんなブランドを目指していきたい」と強調する。

各商品の容器ラベルには「磨き抜かれた水と強めの炭酸、100年を超える伝統の強刺激」と明記される。水への安全・安心と強刺激こそがブランドの価値だろう。

【関連記事】
あえて「おいしい」を封印したらV字回復…黒ラベルがビール離れの若者に大ウケする理由
肉やバターを食べる国ほど心臓病が多いはずなのに…フランスだけが相関から外れている意外な理由
純国産なのに海外ビールみたい…常識破りのビール「ハートランド」を作った"キリンの天才"の仕事
あっという間に「コーヒー販売数で日本一」に…セブンの「100円コーヒー」が大ヒットした本当の理由
「ワイン離れが止まらない」フランス人がワインの代わりに飲み始めたもの