4Aのそれぞれが昔の「恨み」を引きずっている

安倍晋三・前首相、麻生太郎・副総理兼財務相、甘利明・党税調会長の「3A」に、青木幹雄・元党参院議員会長を加えた「4A」が、それぞれの思いから今回の総裁選で「河野落とし」に動いているという話は、「『河野太郎首相だけは絶対に阻止すべし』自民党の実力者4Aが密約を交わした残念すぎる理由」で詳しく書いた。

嫌いな理由はさまざまだが、2010年、自身が引退して息子に後継を譲った際に「仮病」扱いされた青木氏が、今もそのことを忘れていないように、それぞれが昔の「恨み」を引きずっていることが特徴だ。

そもそも河野氏は、森氏ら長老にかみついてメディアで取り上げられて知名度を上げてきた政治家だったのだ。

小石河連合は「裏切り者」と思われている

今回、河野氏は石破茂元幹事長、小泉進次郎環境相、石破茂元幹事長と「小石河連合」を組んだ。その「小石」の2人も、長老たちから河野氏と似た受け止めをされているのは興味深い。

石破氏に対する「怒り度」では、麻生氏が最右翼だろう。麻生政権末期の2009年夏、農水相として麻生内閣の一員だった石破氏は、今の状態で衆院選になだれ込むと自民党は惨敗するという危機感から「一度身をお引きください」と進言した。麻生氏が「一番つらいときに『辞めろ』とは何だ」と激怒したというのは有名な話だ。

自由民主党
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結果として同年の衆院選では自民党は惨敗。政権から転落する。石破氏の言う通りになったのだが、麻生氏としては「言うことを聞いておけばよかった」とは、ならない。今でも石破氏は「裏切り者」なのだ。

安倍氏も石破氏には苦い思いがある。07年、首相として迎えた参院選で民主党に敗北。石破氏は安倍が「自分か、小沢一郎民主党代表(当時)か」と政権選択の選挙を国民に呼びかけて負けた点を指摘。さらに「党則では、国会議員と都道府県連代表の過半数が賛成すれば、総裁選が行われる」と、安倍総裁をリコールする可能性にまで言及した。

安倍氏と石破氏と言えば、安倍氏が2012年に首相復帰した後の不仲が有名だが、第1次政権からの遺恨もあるのだ。