お金にはいい旅をさせる

ペリエ社長・和田裕美
日本ブリタニカでの営業時代、世界2位の成績を収め、女性初・史上最年少の代理店支社長に。2001年独立し、現職。多業種での営業組織づくりに携わる。


 

いま使っているのは、プラダの紫色のお財布です。

紫は、日本では高貴な色と呼ばれていますよね。持っていると、品がよく見えるかなと思っています。

玉串用の袋を入れているのは、よく神社でお賽銭を奉納するからです。皆さん、よくお賽銭を投げていますけれど、普段、人に向かってお金を投げることなんて絶対にないでしょう? それに、感謝の気持ちを表すお金をむき出しで人に渡すこともないでしょう? 私は必ずこれにお金を入れて、お賽銭箱にそっと落とすようにしています。

お札は、新札だけを、必ず金額と顔の向きを揃えて入れています。そうすると、お金がムダに出ていかないという言い伝えがあるんです。美的な問題かもしれないけど、お金もそうされたほうが嬉しいんじゃないでしょうか。お金はツールだけど、モノにも気持ちはあると思う。だから、丁寧に扱ったほうがいいと思うんです。

お金を使うときも、嬉しいって気持ちを大切にしています。みんで頑張ったときや、お祝いのときには思い切って使いますが、嬉しくないことには絶対に使いたくない。お金は喜びのために使おうと、いつも心がけています。

お金って、経済の血液って言いますよね。お財布の中に留めておくだけでは、自分の血液も循環しない。お金にはいい旅をさせることが必要だと思います。感謝のため、知識のため、人のために嬉しい使い方をすると、思いがけない方角から、立派に成長した姿で帰ってきてくれる。だから、いつもお金を使うときには、「いい旅をしてきてね。行ってらっしゃい!」って言いながら送り出すんです。