「下げが来れば買えばよい」
最近は筆者のコメントをどこかで読んだのかわからないが、米国の著名ヘッジファンドマネージャーも筆者と同じような投資戦略を推奨し始めているようである。
これまでそのようなスタンスを示したことがない著名投資家が、筆者と同じことを言い始めているのである。彼らも金の重要性をようやく理解し始めたようだ。
世界の流れがそのようになってきていることを、よく理解しておくことが肝要である。目先の相場変動に惑わされてはいけない。
このような大局的な値動きのパターンを頭に入れておけば、何も慌てることはない。「下げが来れば買えばよい」との判断になることは自明である。
10%程度の株式調整局面はピンチではなく、チャンス
資産運用では、大きく下げた時に買わないと、株式投資は収益が出ない。それも大きな下げのほうがなおよい。このような下げを利用して買いを増やしていき、資産を積み上げていくのである。
今回のコロナ・ショックもそうであり、その前のリーマン・ショックもそうだが、このような暴落ともいえる下げ局面で、いかに果敢に攻めて買い向かえるかが、資産を増やすうえで重要なポイントになる。また、10%程度の調整は株式市場では頻繁に到来する。このような調整もまた、資産を増やすうえで重要なタイミングになる。
今回もいずれ近いうちに調整は来る。そのような下げを利用しながら対処するのである。
金融資産の3割を現金にして備えよ
そのためには、現金が必要である。だからこそ、私は常々「現金を常に金融資産の3割を保有せよ」と言っているのである。
現金さえ保有しておけば、最後には助かる。そして、株が上がりすぎになれば、その一部を売却して現金化するのである。そうすれば、余裕をもって対処できる。
「米国株は常に上昇する」と無責任なコメントする向きもいるが、それは暴論であり、無責任である。資産運用にはポートフォリオ戦略が不可欠である。強気なコメントしかしないことはあまりに不親切であり、完全ではない。言うまでもなく、ヘッジファンド運用者で自分の資金を入れていないマネージャーの無責任な発言にも要注意である。
金投資や金に関する詳しい解説を知りたい方は、拙著『金を買え 米国株バブル経済終わりの始まり』(プレジデント社)をぜひお読みいただければと思う。今後の世界情勢や米ドルの動向、さらには米中対立の結末や金価格の将来見通しなどを知ることができるだろう。